2017.12.15その他
10月から設備改修のため休館している江戸東京博物館ですが、常設展示室が今どんな様子か気になる方もいらっしゃると思います。
普段は展示ケースの中にはたくさんの資料が並んでいますが、現在、ケースの中には解説パネルのみが残されています。
休館に入った10月に約1週間かけて、すべてのコーナーの資料を順に収蔵庫へ戻しました。
なぜ、そのままにしておけないのでしょうか?
それは、ずっと展示室に資料を出しておくと、照明の光や温度・湿度の変化などで資料が傷んでしまうからなのです。
開館しているときは、常設展示では休館日を利用して毎月資料の入れ替えを行っています。
資料ごとに、状態や使われている素材などから展示期間を決めて、なるべく資料に負担をかけないように、また、できるだけ多くの資料を紹介する機会がもてるようにしています。
一方で、簡単には運べないような大きな資料や復元模型も展示されています。
こうした展示物は日頃から定期的に清掃をしていますが、休館中の現在は、ほこりなどがたまらないように覆いがしてあります。
江戸歌舞伎の演目を表した模型「助六の舞台」も、衣装や小道具には養生がしてあり、揚巻の美しい打掛も今は見ることができません。
さらに人形のかつらも取り外して、床山の職人さんに整え直してもらっているところです。
来年度の常設展オープン前には養生をすべて外し、清掃・点検をして、また資料を展示していきます。
今年度はもうご覧いただくことができませんが、来年度には、状態が整えられた助六や揚巻の姿をぜひ展示室でお楽しみいただければと思います。