2019.10.03その他
常設展示室では月に1度、江戸ゾーン、東京ゾーンそれぞれの展示資料の入替え(展示替え)を行っています。今回、なかなか見る機会のない展示替えの現場を広報担当がレポートします。
とある休館日、常設展示室で一番大きい展示ケースに約2ヶ月間展示していた「女乗物(※)」を撤収し、収蔵庫に戻す作業に密着しました。
※梨子地葵紋散松菱梅花唐草文様蒔絵女乗物1698年(元禄18) 資料番号97201654
今回のような大きな資料の展示替え作業は、学芸員の指示のもと、美術品取扱の専門の方々で行います。まず担当学芸員が毛はたきを資料に直接触れないように軽く動かし、空気の流れで埃を取り除きます。
このあと、開いていた扉を閉め「屋根打ち上げ」を下ろしました。
担い棒(担ぐときに使用する長い棒)と金具が接触して傷つかないよう薄葉紙をあて、棒をそっと抜きます。(薄葉紙とは資料の保護や包装梱包等に用いられる専用の紙です。)
抜いた棒は台に運び、保存用の布で包みます。
四人がかりで本体を展示ケースから出します。手袋を金具に引っ掛けてしまったり、滑って落としてしまうことを避けるため素手で扱います。
専用の木箱まで運びます。女乗物の下に敷いてある白いものは、通称「布団」と呼ばれる、綿を薄葉紙で包んだものです。
女乗物本体も布で包んだあと、学芸員の指示により、丁寧かつゆっくりと箱に入れていきます。
このあと収蔵庫に運び、保存担当学芸員と確認をしたあと、所定の場所に戻して展示資料の撤収は終了です。
この日の常設展示室は展示替え以外にもテレビ取材の撮影を行っていました。
今後もこのような博物館の裏側の様子を当館ホームページ等でご紹介していきます。