2016.12.09その他
秋から冬にかけて、たくさんの学校団体が常設展示の見学に訪れます。その大部分を占めるのが小学校団体です。
児童のみなさんに、展示の内容をより深く理解し、そして博物館をより楽しんでいただくため、小学校の先生を対象に9月21日(水)と11月2日(水)の16時から見学相談会を行いました。
初めの30分はスライドとパンフレット『小学校と江戸東京博物館をつなぐ 常設展活用ガイド』を使ってレクチャーを行いました。
博物館の資料は、本物だからこそ細心の注意を払って展示をしたり保管をしたりしています。温度・湿度の変化や光を当て続けることは、資料の劣化につながります。
歴史を伝えてくれる貴重な資料を、できるだけ傷めることなく未来まで残し伝えていくために、資料に合わせて展示期間を設定し、常設展示室では毎月展示替えを行っています。また、展示室でのルールがあるのも資料にとってよい環境を守り、多くの人に博物館を楽しんでもらうためです。
「博物館がどんなところなのか」、「なぜ展示室でルールがあるのか」を、先生たちも子供たちも理解した上で見学してほしいということを先生たちにお話しました。
他にも、江戸博での学習がより有意義なものになるように、ワークシートを使っての見学や、本物の道具に触れる体験プログラム「さわってみよう 昔の道具」の紹介をしました。
江戸博の常設展はとても広く、内容も江戸時代から現代(2000年代)までと幅広いのが特徴です。だからこそ、ただ「楽しい」だけではなく「これがわかった」と子供たちに実感してもらうには、テーマを設定して、特に注目してほしいポイントを明確にすると効果的です。
たとえば「住まい」をテーマに、原寸大で復元された江戸時代の「棟割長屋(むねわりながや)」模型や昭和初期の「下町の庶民住宅」模型、そして高度経済成長期に登場した「ひばりが丘団地」模型を見てみると、時代ごとの特徴や道具の移り変わりを比較しながら理解することができます。
レクチャーの後は、お弁当を食べるときや集合場所として利用できる3階の江戸東京ひろばを案内し、常設展示室の自由見学・個別相談としました。
せっかく江戸博を訪れるなら、学校ではできない、博物館だからこそできる体験や発見をたくさんしていただきたいと思います。
そのために、当館ホームページ「常設展」のページや、「目的別利用案内」の項目にある「学校関係者の方」のページでは、ワークシートや小学校学習指導要領(社会科)対応表といった資料や、見学に際してのお願いなど様々な情報を掲載しています。
また、夏休み中に行いました「ティーチャーズ・プログラム2016 ワークシートの作り方」の様子もTokyo Art Navigationというサイトの「イベントレポート」に掲載されています。
東京都江戸東京博物館のティーチャーズ・プログラム
先生たちがつくる、鑑賞ワークシート
[前編] https://tokyoartnavi.jp/event_report/index041.php
[後編] https://tokyoartnavi.jp/event_report/index042.php
よろしければこちらも参考にしてみてください。