えどはく移動博物館 in 池中祭(7月6日@豊島区立池袋中学校 武道場)

2024.07.18えどはく移動博物館報告

令和6年度のえどはく移動博物館の第一弾は、豊島区立池袋中学校の「池中祭」に参加させていただく形での開催となりました。
池中祭は生徒会とPTAの共催で昨年度から行われている行事で、児童・生徒、保護者の方など数多くの方が来場されました。

 

池袋中学校の武道場入口

 

今回はレプリカの兜の着装体験に加えて、実物に触れながら江戸時代の貨幣について学ぶ体験や手回し式蓄音器の実演、黒電話とプッシュホンをつないでの通話体験、そして歌舞伎の鳴物の演奏体験などといった数多くのワークショップを行いました。

 

模型などが展示されたテーブルを囲んで見る来場者

 

また同時に、当館の常設展示をコンパクトにまとめた江戸時代から昭和時代までの展示もパネルやバナー、模型などを用いて行いました。

 

武道場内にパネルが並ぶ

 

兜の着装体験では、「思ったよりも重い」という声や「これをかぶったまま戦うなんて信じられない!」、「叩かれても全然痛くない!」というような驚きの声が聞こえてきました。

 

武道場内にパネルが並ぶ

 

江戸時代の貨幣にも実際に触れてもらいながら、当時のお金のしくみについて説明しました。
「え!さわっていいんですか!?」とみなさん驚きながら、手に取ってみると「金貨はこんなに薄いのに意外に重いんだ」、「お金じゃないみたい」など様々な反応がありました。
なかには「このお金は家にあります!」という方も何人かいらっしゃいました。

 

兜をかぶる体験をする子ども

 

明治の文明開化コーナーで展示をしたアイロンは、時代ごとの変遷を説明し実際に触ってもらうことで、形の変化や重さを感じていただきました。「こうやってしわをのばしていたんだね」「重いから結構力がいるね」と手を動かして当時の道具を体験する様子が見られました。

 

学芸員から江戸時代の貨幣の説明を聞く子ども

 

手回し式蓄音器の実演では、レコードを聴くのは初めてという生徒さんが多く、音が鳴った瞬間に「すごい」「どうなっているの」と盛り上がりを見せていました。真剣に蓄音器をのぞき込む方や、一緒に曲を口ずさむ方などそれぞれで昭和の音を体感する姿が印象的でした。

 

学芸員から昔のアイロンについての説明を聞く子ども

 

黒電話とプッシュホンの通話体験では、実際につながって会話ができることに感動する声が聞こえました。うちにもあったなあと懐かしく感じる方もいらっしゃり、世代を超えて楽しむ姿が見られました。

 

蓄音機でレコードを聴く親子

 

歌舞伎の鳴物体験では、学芸員から演奏方法のレクチャーを受けた後、生徒さんが即興でセッションを始める場面などが見られ、どの年代の方にも楽しんでいただけた様子でした。

 

黒電話やプッシュホンを使って話しをする親子

 

また、特設コーナーとして設けた池袋に関するコーナーでは大人の方が多く足を止められていたのが印象的でした。

 

池袋に関する資料を展示する特設コーナー

 

実施時間は2時間と短い時間でしたが、江戸東京博物館を知ってもらうとともに、夏休みを前に歴史について興味を持ってもらえる機会になったのではないでしょうか。