2022.12.27えどはく移動博物館報告
葛飾区立中之台小学校の6年生に武士の甲冑や江戸時代の生活・文化について紹介しました。
休館中でなければ社会科見学で訪れてくださっていたそうで、リニューアルオープンする時まで覚えていてもらえるように、しっかり江戸東京博物館のアピールもしました。
すでに社会科で江戸時代を学習しているということですが、さらに歴史に興味を持ってもらえるように複製やパネルもたくさん用意しました。
3つのコーナーを設け、10分ずつローテーションで様々なアイテムに触れてもらいました。
まず1つ目が浮世絵。
版木(複製)に実際に触れてもらいながら制作工程を紹介しました。
紙を置く目印になる「見当(けんとう)」を用いることによって、たくさんの色をずれることなく刷ることができると知り、みんな感心していました。
また、絵草紙屋の様子を描いた浮世絵を見て、浮世絵がどのように販売されていたかも知ることができました。
版木に実際に触ってみると「わぁ!すごい細かいね。」という声があがりました。
図工の授業で木版画を体験していたので、彫りの細かさや美しさを実感できたようです。
完成図と版木を見比べて、自分が見ている版木がどの部分にあたるのか、熱心に観察する子もいました。
2つ目は甲冑です。
実はいくつものパーツに分かれていることや、鉄や布、紐、革など様々な素材が使われていること、デザインにもこだわったものであったことなど紹介しました。
実際に兜をかぶったり、胴を持ち上げてみると想像していた以上に重たいことにみんな驚いて、「動くの大変だね。」「何キロくらいあるんだろう?」など声があがりました。
また、「兜に前に龍の模様がある」など細部までじっくり観察している児童もいました。
3つ目は貨幣や屋台について。
金貨・銀貨・銭貨それぞれの特徴や100文銭で買えたもの、貨幣の見分け方を紹介しました。
貨幣は実際に江戸時代に使用されていたものです。それを伝えると子供たちも驚いて、ここぞとばかりに触っていました。
「丁銀重い~」「金貨って薄い」「豆板銀は石みたいで拾ってこれそう」など新しい発見があったようです。
屋台については、浮世絵に描かれた様々な屋台を見つけてもらったり、当時屋台で売られていた江戸前寿司の模型と、現代のお寿司の模型を比べてもらったりしました。
比較してみて、「こんな大きかったの!おなかいっぱいになっちゃう」と楽しく今との違いを知ることができました。
今回は複製やパネルを中心に紹介しましたが、博物館に行けば本物をたくさん見ることができます。当館は休館中ですが、様々な博物館へ足を運んで、ぜひ本物の資料もじっくり見てほしいと思います。