2022.10.27えどはく移動博物館報告
都内さまざまな場所に出向いて江戸東京の歴史や文化を紹介するえどはく移動博物館。
8月9日(火)から9月19日(月・祝)まで、江戸東京たてもの園のビジターセンターで出張展示を開催しました。
寿司、蕎麦、天ぷらなどさまざまな屋台でにぎわう高輪を描いた錦絵や、当館常設展示の見どころの一つである原寸大の模型を、大きなバナーにしてご覧いただけるようにしました。
さまざまな出版物が販売されていた絵草紙屋の中をのぞくと、歌舞伎役者や力士を描いた錦絵も並べられています。
こうした錦絵の制作工程を、版木の複製とパネルで紹介しました。
彫師(ほりし)が制作した複数の版木を、摺師(すりし)が摺り重ねていくことによって錦絵は完成します。
また、明治の文明開化で西洋からもたらされて普及した手回し式ミシンや炭火アイロン、昭和に広まった蓄音器など、電気を使わない道具も今となっては貴重なものばかりです。
戦時中、空襲に備えて各家庭に用意された道具も、「戦時下の住まい(模型)」のバナーと一緒に展示しました。
展示台の右側が、室内の灯りが外にもれないように電灯にかぶせるカバーと、電灯の下側だけが照らされるように周囲に色が塗られた電球です。
台の一番左は、毒ガス兵器の使用を想定した訓練で使われた防毒マスクです。
実物を目の前にすると、当時の暮らしぶりがよりリアルに感じられるのではないでしょうか。
ここでご紹介したビジターセンターでの展示は終了していますが、たてもの園特別展「江戸東京博物館コレクション―東京の歩んだ道」は令和5年2月12日(日)まで開催中です。
たてもの園の観覧料でご覧いただけますので、ぜひご来園ください。