2015/06/08
右手右足、左手左足が同時に出るような動きを「ナンバ」といいます。 「ナンバ」という語源については「骨筋の違うという意から、骨筋の違いをなおす医者が大阪の難波にいたのでそれからきたという説」「南蛮人すなわち外国人の動作からきたのだという説」(『演劇百科大事典4』平凡社7703/1/4)など諸説あり、はっきりしません。 『定本武智歌舞伎(5)』(武智鉄二/著 三一書房、7721/32/5)は、明治以前まで、ほとんどの日本人は「ナンバ」の動きで歩いていたと述べています。これが現代の歩行方法に変わった理由として、明治以降徴兵された鎮台兵のナンバの歩行様式が、整列行進や戦闘に向かなかったため、西洋式の動作に、訓練や学校教育のなかで変えられていった、と述べています。このほか、ナンバ歩きについての記述は『しぐさの日本文化』(多田道太郎/著 筑摩書房、 9146/B225/80)、『武術の新・人間学』甲野善紀著、PHP研究所、7890/11/95)などに見られます。
(参考資料)
『演劇百科大事典4』(平凡社 1983年 7703/1/4)
『定本武智歌舞伎(5)』(武智鉄二著 三一書房 1980年 7721/32/5)
『しぐさの日本文化』(多田道太郎著 筑摩書房 1980年 9146/B225/80)
『武術の新・人間学』(甲野善紀著 PHP研究所 1985年 7890/11/95)
『千人のさむらいたち 八王子千人同心 ブックレット』(八王子市郷土資料館 1981年 M3674/HA-1/81)
(備考)
ほぼ日刊イトイ新聞「あなたも超人になれる 第1回 忘れられた身体」 https://www.1101.com/fujin-ido/131index.html (2014/9/3確認)
神戸市文書館「合戦と武具 5.源平時代の戦闘 常歩理論」 http://www.city.kobe.lg.jp/information/institution/institution/document/genpei/bugu/bu_sentou.html (2014/9/3確認)
福岡市博物館「No.387 身振(みぶり)都会と田舎のしぐさ」 http://museum.city.fukuoka.jp/archives/leaflet/387/index.html (2017/10/6確認)
(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000013894