2021/03/02
(1)いつから左乗りになったか
『うまはくブックレット №7 横浜ウマ物語 文明開化の蹄音』(【資料1】)に、幕末に西洋文化が入ってくるまで、日本人は右側から馬に乗っていた、とあります。
『間違いだらけの時代劇 河出文庫』(【資料2】)には、現代は馬の左側からが常識であるが、昔の作法はまったく逆。馬の右側から乗り降りした、とあります。『間違いだらけの時代劇 続 河出文庫』(【資料3】)・『考証要集 秘伝!NHK時代考証資料』(【資料4】)にも馬の右側から乗る、とあります。
『馬の文化叢書 8 馬術』(【資料5】)では、日本の近代馬術は、明治になってから陸軍の主導で移入され発展した、とあります。
(2)右乗りだった理由
『うまはくブックレット №7 横浜ウマ物語 文明開化の蹄音』(【資料1】)によると、右から乗るようになった理由ははっきりとはわからないが、「日本の武士は左の腰部に刀を下げていて、左乗りだと騎乗する時に刀の鞘が馬の腹に当たって乗りにくい」「左乗りだと箙(矢を入れている筒)から矢が落ちてしまう」「馬に乗ろうとしていて襲われた時にすぐに対応できるため」など諸説ある、とあります。
『間違いだらけの時代劇 続 河出文庫』(【資料3】)では、太刀を左腰に水平に佩用するので、柄が馬体を突かぬ用心からからである、とあります。
(参考資料)
【資料1】『うまはくブックレット №7 横浜ウマ物語 文明開化の蹄音』 秋永和彦 著 馬の博物館 編 神奈川新聞社 2004年 M37 /UM-001/ 010-07 (p.62・64) |
【資料2】『間違いだらけの時代劇 河出文庫』 名和弓雄 著 河出書房新社 1991年 2105 /B1058 /091 (p.21) |
【資料3】『間違いだらけの時代劇 続 河出文庫』 名和弓雄 著 河出書房新社 1994年2105/B1763/0094 (p.75) |
【資料4】『考証要集 秘伝!NHK時代考証資料 文春文庫』大森洋平 著 文芸春秋 2013年 2101 / B297 /0013 (p.49) |
【資料5】『馬の文化叢書 8 馬術』 江上波夫 他監修 千葉幹夫 編 馬事文化財団 1994年 6452 / 003 /008 (p.524) |
(関連リンク)「馬事文化財団」https://www.bajibunka.jrao.ne.jp/index.php(2021/02/25確認)