2016/04/01
【資料1】『日本経済史 近世-現代』p.257表17-1によると日露戦争軍事費のうち、財源を公債・国庫債券および一時借入金とする金額は1、555、872千円、全体の78%を占める金額でした。公債の発行内容については【資料2】『近代日本戦争史 第1編 日清・日露戦争』p.582表3、p.585表4にて確認することができます。1905年に締結された日露講和条約(ポーツマス条約)では、賠償に関する規定がなかった為、日露戦争時に発行された外債はすべて日本政府負担となり、以降の元利償還が日露戦後の日本にとって重い負担として残りました。
日露戦争後、公債の元利償還を含む残務処理に必要な財源確保のために、戦中から実施されていた非常時特別税の継続などの措置がとられました。また、【資料1】p.259表17-2で確認できるように、外債の低利借替も行われました。その他の日露戦後の財政処理については【資料2】pp.589-59にて説明されています。
日露戦争費調達のために発行された債券の元利償還が終了した時期については、確認できる資料が見つかりませんでした。
(参考資料)
【資料1】『日本経済史 近世-現代』 杉山伸也/著 岩波書店 2012年
3321/213/0012 pp.256-259
【資料2】『近代日本戦争史 第1編 日清・日露戦争』桑田悦/編集 同台経済懇話
1995年 2106/432/1 pp.578-593
【資料3】『明治大正史 第3卷 經濟篇』牧野輝智/編 朝日新聞社 1930年 2106/164/003 pp.104-106、pp.417-418、pp.441-442
参考 : 防衛省防衛研究所 http://www.nids.go.jp
アジア歴史資料センター(国立公文書館) http://www.jacar.go.jp/
(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000190723