「こども郵便局」について知りたい。(2004年)

2015/06/08

 小学生を主な対象とした貯金には、明治30年代に始まった「切手貯金」がありました。学校貯金、学童貯金という名称でも広まり、郵便貯金を奨励した小学校もあったようです。

戦後の「こども郵便局」については、『郵便貯金のあゆみ』(山口修著,郵便貯金振興会,3387/3/77)によると、昭和23年1月、大阪市の南大江小学校児童が「こども会銀行」をつくったのが始まりで、これを伝え聞き、昭和24年から横須賀市の長浜小学校をはじめ全国各地に広まったとあります。また、『郵政百年史』(郵政省編,吉川弘文館,6932/7/71)では、昭和24年、千葉県の犢橋小学校児童が結成したものが発端であると書かれています。 当時の「こども郵便局」は、学校に近い郵便局が親局となり連携して運営され、毎週1日か2日、授業に差し支えのない時間を選んで開局しました。

「こども郵便局」は、学童の貯金奨励と社会教育に資する目的で始まり、現在も多くの小・中学校で行われています。

『郵便貯金のあゆみ』によると、昭和25年3月のこども郵便局の数は4600以上、預入した児童数は百万人を超え、貯金の現在高は1億5000万円に達したといいます。昭和35、6年のピーク時には局数は1万3500局を数えました。ちなみに平成15年3月末現在は、こども郵便局数2588、貯金現在高は約97億円(郵便貯金HP)です。(追記:2007(平成19)年廃止。)

昭和25年5月5日のこどもの日に、第一回優良こども郵便局の表彰が行われ、現在(平成15年3月末)は、日本郵政公社が総務大臣・総裁の2部門で受賞校を表彰しています。

昭和26年には、サトウハチロー作詞のこども郵便局の歌「とんびにきいた」がつくられました。(『郵便貯金のあゆみ』に一部掲載)

 

(参考資料)

『郵便貯金のあゆみ』(山口修著 郵便貯金振興会 1977年 3387/3/77)

『郵政百年史』(郵政省編 吉川弘文館 1971年 6932/7/71)

 

(備考)

郵政博物館  http://www.postalmuseum.jp/window open  (2014/3/31確認)

 

(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000013902window open