
2015/06/08
江戸時代の人の身長は、墓地などから発掘された人骨(おもに大腿骨)の長さから推定されています。推定身長を出すための計算式や、サンプルの採り方などで若干の差はありますが、おおむね男性155~158cm、女性143~146cmの範囲内におさまるようです。
(1)『骨は語る 将軍・大名家の人々(*)』(鈴木尚著 東京大学出版会 1985年)には、江戸時代庶民の平均は男性157.11cm、女性145.62cmとあります。
(*)徳川将軍とその正室・側室や、江戸時代の大名の推定身長なども載っています。
(2)『日本人のからだ』(鈴木隆雄著 朝倉書店 1996年)では男性155.09~156.49cm,女性143.03~144.77cm(江戸時代前期~後期)。
(3)「江戸時代人の身長と棺の大きさ(**)」平本嘉助(『江戸時代の墓と葬制 江戸遺跡研究会第9回大会発表要旨』江戸遺跡研究会 1996年)では江戸庶民の平均が男性155~156cm,女性143~145cm(江戸時代前期~後期)。将軍・大名(男性)の平均が157cm、正室・側室(女性)が145cmで階級による大きな身長差はなかった、と推察しています。
(**)同発表要旨を元に改稿された論文が『墓と埋葬と江戸時代』(江戸遺跡研究会編 吉川弘文館 2004年)に掲載されいてます。
現在の日本人の体型と比べるとだいぶ小柄だったといえますが、すべての人が小柄だったわけではなく、身長2mを越す大男もいました。文政期の看板力士“大空武左衛門”や天保期の看板力士“生月鯨太左衛門”は身の丈7尺5寸(約227cm)もあったと言われています。(『古今大相撲力士事典』(景山忠弘 小池謙一著 国書刊行会 1989年))
詳しくは参考資料をご参照ください。
(参考資料)
(備考)江戸遺跡研究会(https://www.edoisekikenkyukai.org/)(2025/3/18確認)
(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000013899