特別展 1F

2014年03月18日(火)〜05月11日(日)

江戸東京博物館開館20周年記念特別展

大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~

 

「江戸時代の代表的な都市は」と問えば、誰もが江戸と京都をあげるでしょう。この大都市を比較すれば、どのような特徴があげられるでしょうか。そして、東アジアのなかで見た時にどのようなことが考えられるでしょうか。 アジアには都城制とよばれる伝統的な都市づくりがありました。回廊で囲まれた宮殿を中心に、東西の道を敷設し、周囲に城壁をめぐらす都市です。江戸そして京都はこのアジアの都市設計と関連をもっていました。本展は江戸そして京都の都市設計を鍵にして、アジアそして世界を意識した視点でみつめ、江戸時代の都市を考える展覧会です。

開催概要

会期 2014年3月18日(火)~5月11日(日)
会場 江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
電話番号:03-3626-9974(代表)
・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分
・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分
・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統・
   墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん (南部ルート) 」

「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分

開館時間 午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
*入館は閉館の30分前まで。
休館日 5月7日および毎週月曜日(ただし、4月28日・5月5日は開館)
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団、東京都江戸東京博物館、読売新聞社
観覧料
観覧料(税込) 特別展専用券 特別展・
常設展共通券
特別展前売券
一般 1,300円(1,040円) 1,520円(1,210円) 1,100円
大学生・専門学校生 1,040円(830円) 1,210円(960円) 840円
中学生(都外)・高校生・ 65歳以上 650円(520円) 760円(600円) 450円
小学生・中学生(都内) 650円(520円) なし 450円

※( )内は20名以上の団体料金。
※前売券は平成26年1月2日(木)から3月17日(月)まで販売。
【チケット販売所】江戸東京博物館、ローソンチケット、チケットぴあ、など主要プレイガイド。
※手数料がかかる場合があります。
※特別展・常設展共通券の販売は江戸東京博物館のみです。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください。

※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
小学生と都内在住・在学の中学生は常設観覧料が無料のため、共通券はありません。

 

展示資料目録
展示リスト
※事情により変更する場合があります。

 

展示構成

プロローグ

江戸時代、列島各地に地域の中心となる都市が成立しました。多くの都市は石垣や水堀で固められた城館を中心として、城下町は街道で結ばれ、城館と街が結びついていました。

数多く建設された都市のなかでも京都と江戸はとりわけ異なり、かつ大きな都市でした。
プロローグでは江戸時代の列島の都市を概観します。

 

東海道五十三次図屏風 東海道五十三次図屏風
東海道五十三次図屏風 六曲一双 寛文年間 東京都江戸東京博物館蔵

 

1章 世界の都市

江戸時代は世界の都市をどのように意識していたのでしょうか。日本で制作された世界の様子を描いた絵画として、屏風に仕立てられた絵画などでその認識を知ることができます。また、当時に制作された日本列島を描いた地図は、日本が世界からどのように認識されていたかも示しています。絵画作品には江戸時代の日本や世界の都市の姿があらわされています。第1章では、都市について海外からもたらされた知識、また海外へ発信した情報を展示します。

 

重要文化財 十二都市図世界図屏風 重要文化財 十二都市図世界図屏風
重要文化財 十二都市図世界図屏風 六曲一双 17世紀初頭 南蛮文化館蔵
【展示期間 3/18~4/13】

 

 

坤輿万国全図
坤輿万国全図 3幅一揃 江戸時代
東京都江戸東京博物館蔵

 

日本図
日本図 1枚 1595年
明治大学図書館蔵

 

2章 洛中への系譜~都市の中心と周辺~

アジアの都市は中国の都市づくりの影響を受けています。例えば、北京やソウルです。日本では平城京や平安京が著名です。碁盤の目の京都は明らかにその系譜をひいています。その歴史的な経緯から、江戸時代においても京都は国内の他の都市と趣が異なっていました。中心には回廊で囲まれた広場と建物側面の直線部分を正面とした平入りの宮殿が建てられました。そして宮殿の周囲には条坊とよばれる縦横に道が廻らされました。宮殿と条坊の組み合わせは、アジアの各都市でも、いつの時代にも見ることができた共通事項です。
展示作品を通して、京都はアジアの都市づくりが直接に影響を与えた都市であることを確認していきます。

 

万暦年間北京城内図
万暦年間北京城内図 1幅 万暦年間
東北大学附属図書館蔵
【展示期間 4/15~5/11】

 

洛中洛外図屏風
洛中洛外図屏風 六曲一双 江戸時代 馬の博物館蔵
【展示期間 4/15~5/11】

 

禁裏御所之図(御内裏図)
禁裏御所之図(御内裏図)1枚
江戸時代末期 京都府京都文化博物館蔵

【展示期間 4/15~5/11】

 

賢聖障子 獅子・狛犬・負文亀

賢聖障子 獅子・狛犬・負文亀
1面 安政年間 宮内庁京都事務所蔵

 

3章 将軍の都市~霊廟と東照宮~

大都市江戸を考える上で、徳川秀忠そして家光が行った拡張工事は大きな画期でした。都市の中心には堀や石垣を普請し、御殿や天守を建てました。武家による都市づくりの特徴です。
しかし、都市江戸にもアジアの都市に共通する側面があります。江戸は都市を取り囲む堀を構えました。また、『周礼』考工記は祖先や神を祀ることを記載していました。江戸では東照宮や霊廟など徳川家にかかわる神社や墓域を造営しており、両者はアジアで展開した都市づくりの系譜のなかで捉えることができます。
他方、江戸がアジアの都市づくりと大きく異なる点もあります。中心に伝統的な宮殿を設けず、城館を据えた点です。京都とは異なり、武家の本拠となった城館は武威を表現することによって、自らの身分を表現していました。
本章では都市江戸のなかにアジアの都市と共通する点と異なった側面を紹介します。

 

武州豊島郡江戸庄図
武州豊島郡江戸庄図 1舗
天保元年(1830)

東京都江戸東京博物館蔵

 

武州州学十二景
武州州学十二景 1巻 慶安元年(1648)

東京都江戸東京博物館蔵

 

1657年3月4日火事にあった江戸市街の図
1657年3月4日火事にあった江戸市街の図
東京都江戸東京博物館蔵

【展示期間 3/18~4/6】

 

重要文化財 旧江戸城写真ガラス原板上梅林門と二ノ丸喰違門
重要文化財 旧江戸城写真ガラス原板
上梅林門と二ノ丸喰違門 1枚
明治4年(1871)
東京都江戸東京博物館蔵
【展示期間 3/18~4/6】

 

日光御遷坐式図巻
日光御遷坐式図巻 2巻 江戸時代 東京都江戸東京博物館蔵

【展示期間 4/15~5/11】

 

紅葉山東照宮御簾

紅葉山東照宮御簾 1張
享保21年(1736)以前

津山郷土博物館蔵

 

台徳院銅製燈籠
台徳院銅製燈籠 1対
寛永9年(1632)
東京都江戸東京博物館蔵

 

紺紙金泥経
紺紙金泥経 4巻

寛文5年(1665) 増上寺蔵

 

白天鵞絨地胴服
白天鵞絨地胴服 1領17世紀
東京都江戸東京博物館蔵

 

本小札濃勝糸威二枚胴具足
本小札濃勝糸威二枚胴具足 1領
江戸時代末期
東京都江戸東京博物館蔵

 

本小札紅糸威胴丸
本小札紅糸威胴丸 1領
江戸時代後期
東京都江戸東京博物館蔵

 

 

エピローグ ~都市図屏風~

江戸は日本の中心として巨大な都市となりました。同時に列島には京都をはじめ堺や博多などの大都市があり、大名の拠点となった都市もありました。これらの大名の構えた都市は、多くは江戸と同じように、中心に天守や御殿を構え、惣構も築いていました。
当時の世界の都市の多くは町を囲んで城壁を廻らせていました。列島の各地の都市の様子を描く都市図屏風には、江戸とも異なる様相も描かれています。都市図屏風は多様な景観を表現しています。

 

延岡市指定有形文化財 延岡城下図屏風 21-2
延岡市指定有形文化財 延岡城下図屏風 六曲一双 17世紀後半 個人蔵
【展示期間 3/18~4/13】

 

津山指定文化財 津山景観図屏風  津山指定文化財 津山景観図屏風
津山指定文化財 津山景観図屏風 六曲一双 文化7・8年(1810・11)頃

個人蔵 津山市郷土博物館寄託

【展示期間 4/15~5/11】

 

関連事業

■春期えどはくカルチャー
江戸東京博物館 開館20周年記念
特別展「大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~」

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