2014年01月02日(木)〜03月02日(日)
2014年01月02日(木)〜03月02日(日)
会期 | 2014年1月2日(木)~3月2日(日) | ||||||||||||||||||||
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会場 |
江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1) ・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分 ・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分 |
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開館時間 |
午前9時30分~午後5時30分 土曜日は午後7時30分まで。 ※入館は閉館の30分前まで |
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休館日 | 1月6日・27日、2月3日・10日・17日・24日 | ||||||||||||||||||||
主催 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、国際浮世絵学会、読売新聞社 | ||||||||||||||||||||
協力 | 日本航空 | ||||||||||||||||||||
観覧料 |
※( )内は 20 人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
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巡廻先 |
■名古屋市博物館 2014年3月11日(火)~5月6日(火) ■山口県立美術館 2014年5月16日(金)~7月13日(日) |
展示資料目録
展示リスト
浮世絵は、近世初期風俗画を母胎として、それに続く寛文年間(1661 ~ 73)を中心に流行した一人立ち形式の寛文美人図を経て生まれる。本章は、浮世絵の誕生に至るまでに描かれた肉筆画により構成する。
国宝「風俗図屏風(彦根屏風)」肉筆画 滋賀・彦根城博物館蔵
(1/2~14展示)
近世初期風俗画の傑作で、遊里で遊ぶ男女の姿を画題とした当世風俗図。彦根藩井伊家伝来にちなみ「彦根屏風」と通称される。
「浮世絵」という語は、延宝9年(1681)刊行の俳諧書『それぞれ草』の句の中に見出せるのが早い例であり、およそ、その頃には一般化しつつあったと思われる。当世の、最新流行の風俗を描いた浮世絵は、肉筆画のみならず、本や一枚物の版画の形でも刊行され始め、新興の浮世絵師は江戸で確かな地盤を築いて行く。 版画は、富裕でない庶民でも手に入れることのできる身近な絵画であり、新興都市“江戸”が生んだ新たなエネルギーであった。本章では、菱川師宣・鳥居清倍・ 奥村政信などの作品を取り上げる。
「見返り美人図」菱川師宣
肉筆画 東京国立博物館蔵
Image:TNM Image Archives
(1/28~2/16展示)
浮世絵派を確立した師宣の立美人図の代表作で、振り返った姿を後から捉えた独得のポーズが新鮮。
「芝居狂言浮絵根元」奥村政信
横大判墨摺筆彩 ベルリン国立アジア美術館蔵
©Staatliche Museen zu Berlin, Museum fur Asiatische Kunst, photography J urgen Liepe
(1/2~2/2展示)
遠近法を極端な形で用いた浮絵という手法で表現した劇場図。顔見世興行の舞台では、二代目市川海老蔵による暫が演じられている。
明和・安永期(1764 ~ 81)は、錦絵と呼ばれる段階にまで達した木版多色摺技法の発達により、浮世絵版画が急速に表現の可能性を広げた時代だった。多いときには10色以上の色を重ねる事も可能になり、色彩豊かで華麗な錦絵の誕生は、それまでの素朴な浮世絵版画のイメージを一新し、人々の目を驚かせた。本章は、錦絵創始期の第一人者となった鈴木春信、安永期を代表する美人画家である礒田湖龍斎、役者絵界に新風を送った一筆斎文調、勝川春章などを紹介する。
「風流五色墨 長水」鈴木春信
中判錦絵 ホノルル美術館蔵
Honolulu Museum of Art, Gift of James A. Michener, 1959 (14491)
Photo: Tim Siegert
(2/4~3/2展示)
錦絵創始期の第一人者が鈴木春信。それまでの素朴な技法が一変して、洗練された鮮やかな色彩の多色摺木版画= 錦絵が誕生、以降の浮世絵界の盛行を促した。
「花下の遊女」 勝川春章
肉筆画 千葉市美術館蔵
(2/4~16展示)
「春章一幅値千金」とも謳われて珍重された春章の肉筆画は、繊細な筆致と色彩の鮮やかさで鑑賞者を魅了する。
「中村富十郎の饅頭売 日向屋実は 日向姥ケ嶽の雌狐と、
9代目市村羽左衛門の酒売伊勢屋実は源九郎狐」勝川春章
大判錦絵 シカゴ美術館蔵
Photography cThe Art Institute of Chicago
(1/2~2/2展示)
人気役者の特徴をとらえて似顔で描き、春章の役者絵は芝居ファンの間で評判となった。
18世紀の後期を中心とする一時代は、浮世絵の美が頂点を極めた時期である。この時代に制作された浮世絵は、江戸の長い風俗画の歴史の中でもひときわ光り輝き、優れた絵師が陸続と輩出され、錦絵版画全盛の、浮世絵の黄金期となった。この時期、美人画や役者絵は大型化し、さらに浮世絵の人気を高めた。美人画の中で枢要をなした鳥居清長、青楼の絵師と謳われた喜多川歌麿、短期間に印象的な役者絵を残した東洲斎写楽、浮世絵界を席巻する歌川派を主導した歌川豊国、その門人である歌川国政らを紹介する。
「大川端夕涼」 鳥居清長
大判錦絵二枚続 大英博物館蔵
©The Trustees of the British Museum
(全期間展示)清長が作ったすらりとした八頭身美人たちが大川端で涼をとる。清長は、室内で描かれていた美人たちを江戸散歩に誘い出し、戸外で楽しげに遊ぶ姿を描いた。
重要美術品「夏姿美人図」喜多川歌麿
肉筆画 埼玉・遠山記念館蔵
(2/18~3/2展示)
歌麿肉筆美人画の中の名品中の名品。絽ろの着物の質感描写が素晴らしく、女性の白い顔も気品があって凛としている。
「婦女人相十品・ポッペンを吹く娘」喜多川歌麿
大判錦絵 東京国立博物館蔵
(2/4~16展示)
薄いガラスが息をすったり吐いたりすることに反応して、ポッペン、ポッペンという音がするおもちゃを、若い娘がもて遊ぶ。清楚さとカワユイ感じが重なるこの娘の人相は、何を語るか?
重要文化財「3代目大谷鬼次の江戸兵衛」東洲斎写楽
大判錦絵 東京国立博物館蔵ほか
(1/15~26展示)
江戸兵衛が与作の下僕一平を襲うところを描く。つり上った 眉と目が凄みを表し、パッと開いた両手が、相手を驚かそうとする意志を強く表す。その指先の異様な形が印象的。
「円窓九美人図」(部分)鳥文斎栄之
肉筆画 静岡・MOA美術館蔵
(1/21~2/2展示)
年齢にも幅がある様々な階層の美人たちを描いた肉筆画。栄之が作り出した細面で首の長い美人図の典型が示される。美人図のレパートリー・ブックのようだ。
「市川鰕蔵の碓井の荒太郎定光」歌川国政
大判錦絵 東京国立博物館蔵
(2/4~16展示)
暫を演ずる鰕蔵の顔を、真横からとらえた斬新な大首役者絵。市川家の三升の家紋も、上半分しか描かれないが、歌舞伎のファンにはこれで充分。
19世紀に入ると、多くの浮世絵師が登場し、制作された錦絵の数も増えた。また、美人画、役者絵という二大分野に風景画などが加わり、さらに活況を呈する。色彩はさらに豊かになり、誇張、強調された構図も目立つようになるなど、浮世絵はさらなる進化の相を見せる。本章では、葛飾北斎が革新し、歌川広重がそれに続いた風景版画および花鳥版画、また豊かな発想による歌川国芳の新鮮な作品群を中心に紹介する。同時に、江戸とは異なった歴史と作風を持ち、京都と大阪で版行された上方絵についても概観する。
葛飾北斎 大判錦絵
ベルリン国立アジア美術館蔵
(1/2~2/2展示)
印象的な朝焼けの一瞬をとらえた劇的な
作品。
歌川広重 大判錦絵
江戸東京博物館蔵
(2/4~3/2展示)
急な箱根の山道を黙々と進む大名行列で
ある。
「月に雁」歌川広重
中短冊判錦絵 大阪・和泉市久保惣記念美術館蔵
(1/21~2/16展示)
広重は穏やかな花鳥図の名手でもあった。郵便切手でも名高い図。
浦上 満氏
(全期間展示・頁替あり)
「相馬の古内裏」歌川国芳
大判錦絵三枚続 名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
(2/18~3/2展示)
国芳は、横長の画面を存分に活用し、迫真的な作品を作り出した。鬼才国芳の奇想ぶりがよく発揮されている。
幕末から明治維新にかけては、混乱の時代の中、浮世絵師は描くべき主題を模索しつつも迷走を続けた時期で、歌川国芳の門人である月岡芳年、西洋画を学んで独習したと伝えられる小林清親らが上げられる。また大正から昭和にかけては、版元渡辺庄三郎による新版画の試みが登場、橋口五葉や伊東深水、川瀬巴水などが活躍する。
「髪梳ける女」橋口五葉
木版 江戸東京博物館蔵
(2/4~3/2展示)
新版画運動において最初に作品を打ち出した橋口五葉。新版画の絵師達は、彫師や摺師との分業による、江戸時代伝統の高度な木版画をよみがえらせた。
「画布に猫」小林清親
大判錦絵 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵
(1/2~14展示)
光と影の個性を発揮した清親の絵は、光線画と呼ばれた。その独特な感性による作品群は、同時代の作品の中でも異彩を放っている。
「欧洲管弦楽合奏之図」楊洲周延
大判錦絵三枚続 江戸東京博物館蔵
(1/2~14展示)
文明開化による欧米の新風俗は、明治期浮世絵の格好の画題となった。とくに周延の描く洋装の美人画は、想像を盛り込みつつも、とりわけ上品で華やかである。
「芳流閣両雄動」月岡芳年
大判錦絵二枚続 メ~テレ(名古屋テレビ放送)蔵
(2/4~16展示)
明治期の浮世絵師を代表する芳年。しかし多彩な画題での活躍や、大胆な、あるいは幻想的な表現は、浮世絵の枠を越えて評価されつつある。
◆新春えどはくカルチャー
国際浮世絵学会創立50周年記念
江戸東京博物館開館20周年記念 特別展「大浮世絵展」
※詳細は江戸東京博物館の公式HP(えどはくカルチャー)をご参照ください。⇒
■プレスリリース、写真のご用命は、広報事務局までお願いいたします。
「大浮世絵展」東京会場広報事務局(ユース・プラニング センター内)
担当:池袋、岩川
〒106-8611 東京都港区西麻布2-25-18 麻布パレスビル
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