2003年11月29日(土)〜2004年01月18日(日)
2003年11月29日(土)〜2004年01月18日(日)
(C)横尾忠則
讃岐高松藩・蔵番役の家に生まれた平賀源内(1728~1779)は、博物学者、蘭学者、薬品会仕掛人、からくり師、洋画の導入者、戯作者など、多芸多才な活動で知られています。しかし、源内の活動はあまりに多岐に渡るため、その実績が総合的に語られることはありませんでした。本展では、幅広い視点からの源内像を一堂に展示し、江戸の生んだ奇才の実像を明らかにします。
本展のポスターは画家、横尾忠則氏によるものです。 原画も会場に展示されます。
会期 | 2003年11月29日(土)~2004年1月18日(日) <終了しました> | |||||||||||||||
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会場 | 江戸東京博物館 1階 企画展示室 | |||||||||||||||
休館日 | 毎週月曜日、年末年始(2003年12月28日~2004年1月5日) | |||||||||||||||
主催 | (財)東京都歴史文化財団 、江戸東京博物館、東京新聞 | |||||||||||||||
特別協力 | 平賀源内先生顕彰会 | |||||||||||||||
監修 | 芳賀徹(京都造形芸術大学学長) | |||||||||||||||
料金 |
*( )内は20名以上の団体料金。
*次の場合は本展覧会の観覧料が無料になります。
*小学生と都内在住・在学の中学生は、常設展観覧料は無料ですので、共通券はありません。 |
≪平賀源内肖像≫ |
あるときは、博物学者や蘭学者という学者の顔。あるときは、鉱山開発をめざす“ビジネスマン”。 そして、子どものころから好きだった「からくり機械」への憧れから、からくり師、戯作者へという文化人・・・。 江戸時代の半ば、源内ほど多彩な活動を展開した人はいないでしょう。また西は長崎から北は秋田までおもむき、 田沼意次やオランダ商館の外国人とも交流した行動の人でもありました。しかし肖像画など彼の足跡を今に伝えるものは、 それほど多くありません。源内の型破りなキャラクターは、人々のイメージを介し、様々な形で表現されています。 第1章では、肖像画や源内と交流の深かった杉田玄白、太田南畝、鈴木春信らの書籍・書簡集を通じて、“マルチ人間”平賀源内の人間像に迫ります。
≪エレキテル≫(複製) |
13歳のころ、からくり掛軸≪お神酒天神≫を創作したという源内。子どもの頃から、からくりに興味を抱いていましたが、 1752年(宝暦2)の長崎への留学がその後の人生に大きな影響を与えました。鎖国という社会体制のなかでも出島を通じて、 舶来品を目にすることができたこの地で、源内は海外から持ち込まれた計器類や測量機を知ります。 源内はこれら海外の機械を参考に、その仕組みを研究し、≪エレキテル≫という静電気発生装置をはじめ、 独自の温度計、量程器など様々な機器を製作しました。源内の西洋文化へのまなざしは単なる憧れにとどまらず、 追いつき追い越したいという対抗意識へ、さらには国益に結びつけようと考えるようになります。 源内の活動は、海外への輸出を前提に火浣布・陶器など新たな国内産業の開発や鉱山開発へと広がっていきます。 源内が着手した事業は、必ずしも成功をおさめたとはいえませんが、常に世界に目を向けていたことがわかります。
≪衆鱗図≫ |
18世紀の欧米は、博物学の世紀といわれるほど、動物・植物・昆虫などの解剖や生態調査・研究が盛んに行われていました。 その動向は、はるか海を越えた日本にも伝わってきました。学問を体得しようという気風は、泰平の世にあった江戸時代、 源内や蘭学者だけでなく、大名の間でも高まっていました。いち早く、海外の蘭書を収集し、 当時のヨーロッパの知識を独自に得ていた源内の姿勢を評価し、彼に影響を受けた大名が讃岐高松藩主・松平頼恭や熊本藩・細川重賢らです。 博物学に関心を寄せていた彼らは、動物や植物の写生図画や系譜などを残しています。 第3章では、源内が収集した蘭書コレクションや武士が描いた博物図譜などを展示します。
≪西洋婦人図≫(複製) |
源内は≪西洋婦人図≫に代表されるように、画才もありました。 1773年(安永2)、秋田の銅山に視察に訪れた源内が、所持していた洋書の挿絵を秋田角館藩士・小田野直武に見せたことで、 西洋画法をとりいれた写生画が展開されていきます。西洋画法の迫真性に衝撃をうけた小田野直武は、 源内とともに江戸に行き、西洋的遠近法を東洋画に巧みに応用した作品を次々と発表します。 重要文化財に指定されている≪不忍池図≫は、光源を一点に定め、空気遠近法も用いた革新的な“花鳥風景図”ともいえるでしょう。 秋田藩主でもあった佐竹曙山は小田野直武に影響を受け、洋風画を描きはじめます。 また後に日本で初めて銅版画を創った司馬江漢を指導したのも小田野直武でした。 第4章では、源内にはじまる洋風画の流れをたどりながら、源内と絵画の世界に焦点をあてます。
≪風流志道軒伝≫ |
源内は、若いころから「李山」という俳号をもち、俳諧仲間と親交を 持っていました。 以後、「風来山人」という名前で、『風流志道軒伝』(ふうりゅうしどうけんでん)、『根南志具佐』(ねなしぐさ)などの滑稽本を、「福内鬼外」という名前 で『神霊矢口渡』(しんれいやぐちのわたし)などの浄瑠璃作家としても数々の作品を出版しました。 源内が書いた滑稽本・狂本は、江戸の名所や世評を活写し、当時の江戸の人々に熱烈に受け入れられ、ベストセラーになりました。 「江戸戯作の開祖」といわれ、日本文学史上に大きな足跡を残す源内の出版物を通じて、人気作家として活躍した源内を紹介します。
平賀源内に深い興味を抱いている糸井重里さん。
有識者をゲストに迎え、謎につつまれた源内像を皆さんと探ります。
第1回 | 「源内の才能を探る!」12月12日(金)19:00~20:30 糸井重里×芳賀徹(本展監修者) <終了しました> |
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第2回 | 「源内の実像を探る!」1月11日(日)14:30~16:00 糸井重里×橋本治(作家) <終了しました> |
場所 | 江戸東京博物館 1階ホール |
参加費 | 500円 |
参加方法 | 往復はがきに住所・氏名・電話番号・希望日・返信先を明記の上、 〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1 江戸東京博物館「イトイさん」係宛にご郵送下さい。 1通につき2名までご応募できます。参加される方の氏名をすべてお書き下さい。 |
締め切り |
糸井重里さんが主宰する、インターネットで毎日お送りする、ちょっとほかにはない、たのしい新聞。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
平賀源内は、日本で初めて「寒暖計」を作った人物です。このことにちなみ江戸から現代にわたるさまざまな計量計測器具を展示します。
主な展示作品 | 平賀源内が製作した温度計の再現製作品 メートル原器(産業技術総合研究所蔵) ペリー献上の天秤(国立科学博物館蔵)など <終了しました> |
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場所 | 江戸東京博物館1階企画展示室(「平賀源内展」内に併設) |
観覧料 | 「平賀源内展」チケットをお求めください。 ※「計量いま・むかし展」のみの観覧はできません。 |
お問い合せ先 | 東京都計量検定庶務課企画調整係 TEL:03-5470-6643 |