2017年02月18日(土)〜04月09日(日)
2017年02月18日(土)〜04月09日(日)
江戸の人口が100万人を超え、都市として発達を遂げた18世紀は、北京が清朝の首都として最も繁栄を極めた時代でもありました。日本と中国には文化交流の長い歴史があり、江戸時代の「鎖国下」においても中国貿易は公認され、長崎を窓口として、文物の流れが滞ることはありませんでした。
本展では、18世紀を中心に、江戸と北京のなりたちや生活、文化を展観し比較します。これまで清朝の芸術や宮廷文化に関する展覧会は数多くありましたが、北京の都市生活を江戸と比較する企画は、今回が初めてです。展示を通じ両都市の共通性と差異を明らかにすることによって、友好と相互理解を深める契機にいたします。
【展示の見所!】
①江戸・北京の街並みを描いた絵巻の競演!
江戸・日本橋の賑わいを描いた「熈代勝覧」と、乾隆帝80歳の式典に沸く北京の風景を描く「乾隆八旬万寿慶典図巻」、そして康熙帝60歳の式典を描いた「万寿盛典」を出陳し、同時代の江戸と北京を一目で比較できる展示とします。さらに絵巻に描かれるような当時の看板や商売の道具なども合わせて展示して、当時の風景を立体的に展観します。
「熈代勝覧(きだいしょうらん)」 1805年(文化2)頃 ベルリン国立アジア美術館蔵
【熈代勝覧とは?】
1805年(文化2)頃の日本橋通りを東側から俯瞰する構図で描いた、長さおよそ12mの絵巻です。通りに立ち並ぶ多くの店舗と、そこを行き交う1671人におよぶ人物が活き活きと描かれ、当時の江戸・日本橋の賑わいを一望することができます。この絵巻は1999年(平成11)にドイツで存在が確認され、2003年(平成15)に開催した当館の「大江戸八百八町展」にて日本初公開となり、大きな話題を呼びました。今回は三度目の里帰りで、日本での公開は11年振りとなります。
「乾隆八旬万寿慶典図巻」1797年(嘉慶2) 中国・故宮博物院蔵(日本初公開)
【乾隆八旬万寿慶典図巻とは?】
清朝の乾隆帝が1790年(乾隆55)に80歳を迎えた際の、祝賀の様子を描いた絵巻です。園林の離宮から西直門を経て北京城内に入り、紫禁城西華門に至る祝賀の行列を、沿道に設けられた舞台や様々な飾り物、行列の見物に訪れた人々などと共に鮮やかに描いています。この絵巻は今回日本初公開となります。
②それぞれの都市の生活・文化を比較展示!
商売、歳時、学問や遊びなどの様々なテーマをもとに資料を展示し、似ているようで違っている江戸と北京の生活と文化を比較します。
【北京】「五毒肚兜(端午の節句の腹掛け)」 清時代 中国・首都博物館蔵 |
【江戸】歌川広重「名所江戸百景 水道橋、駿河台」 1857年(安政4) 江戸東京博物館蔵 |
③首都博物館所蔵の名品もご紹介!
首都博物館秘蔵のコレクションから、清代の芸術文化を伝える名品を展示。江戸の人々も憧れた絵画や陶磁器など、優れた美術品の数々を紹介します。
藍地番蓮紋香炉 清時代 中国・首都博物館蔵 |
景徳鎮窯 「青花御窯廠図磁器板」 清・道光期(1821~1850) 中国・首都博物館蔵 |
会期 |
2017年2月18日(土)~4月9日(日) |
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会場 | 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室 (東京都墨田区横網1-4-1) 電話番号:03-3626-9974(代表)
・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分 |
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開館時間 |
午前9時30分~午後5時30分 |
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休館日 | 毎週月曜日 (ただし、2017年3月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)は休館) | ||||||||||||||||||||
主催 |
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、 |
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後援 |
外務省、中国大使館、中国人民対外友好協会 |
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企画協力 |
黄山美術社 |
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協力 |
全日本空輸 |
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観覧料 |
※( )内は20名以上の団体料金。
※特別展・常設展共通券は、東京都江戸東京博物館のみで販売。 (特別展・常設展共通券の前売はありません)
※会期中は当日料金で販売。
※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください |
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チケット販売 |
前売券は江戸東京博物館にて2017年2月17日(金)まで販売。 ※特別展・常設展共通券の販売は、江戸東京博物館のみです。 |
■展示資料目録
展示リストは、こちらからダウンロードできます
北京は、中国の伝統的な都市建設に従って、計画的に城門・城壁・皇城・宮城を中軸に街を形成しました。一方で江戸は開放的な多重構造で、德川氏の本営の城を中核として城下町が造られています。ここでは、城郭と都市を描いた図面や将軍・皇帝の所用品などから、江戸・北京のなりたちと治世を展観します。
【北京】「明黄色納紗彩雲金龍紋男単朝袍(雍正帝の礼服)」
雍正帝/所用 清時代 中国・故宮博物院蔵
【江戸】「萌葱地葵紋付小紋染胴服」
徳川家康/所用 江戸初期 江戸東京博物館蔵
[重要文化財]
「熈代勝覧」、「万寿盛典」という二つの絵画資料を中心に据え、その図像から都市景観や生活、文化を読み解き、比較します。また、当時の市民の暮らしの諸相を、住まう、商う、装う、歳時、育てる、学ぶ、遊ぶなどのテーマに分けて紹介します。
【北京】「黒木猴(帽子屋の猿看板)」
清時代 中国・首都博物館蔵
緻密で華麗な北京の宮廷芸術や江戸の知識人が憧れた北京の文人文化のほか、民間の工芸品および優れた職人の技について、首都博物館の多彩なコレクションをもとに紹介します。この章の中国作品は、いずれも日本初公開です。
沈銓「芝鹿図」
1740年(乾隆5) 中国・首都博物館蔵
展覧会に関連した講座を開催いたします。
展覧会の理解をより深めてくれる内容となっています。ぜひご参加ください。
「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」展関連講座(全3回)
①「老北京」の年中行事:周 星(愛知大学教授)
3月1日(水)14:00~15:30
定員:200名 受講料:1,000円(800円) 申込締切:2月15日(水)
②絵巻から見た江戸と北京の都市生活
―「江戸と北京」展のみどころ―:江里口 友子(学芸員)
3月8日(水)14:00~15:30
定員:200名 受講料:1,000円(800円) 申込締切:2月24日(金)
③日本に招来された清朝陶磁器:堀内 秀樹(東京大学准教授)
3月22日(水)14:00~15:30
定員:200名 受講料:1,000円(800円) 申込締切:3月3日(金)
往復はがきによる事前申込制となります。応募方法の詳細は当館ホームページおよび館内配布のチラシ等でご確認ください。
詳細は こちら→
■プレスリリース、写真のご用命は、広報事務局までお願いいたします。
「江戸と北京」展広報事務局(ウインダム内)
TEL:03-6661-2510 FAX:03-3664-3833
E-mail: edo-beijing@windam.co.jp