2016/09/27
『ビジュアルで読み解くお江戸の意外な生活』(PHP研究所・2011年・p70・3821/338 /0011)には“江戸に居酒屋が誕生したのは享保年間(1716~36)のことだった。その発端は酒屋である”とあり、“椅子もテーブルもない。酒をつぐのは燗徳利ではなく土瓶を長くしたような「ちろり」だった”とある。「諸国道中金の草鞋」からの挿絵が所収されている。
『絵でよむ 江戸のくらし風俗大事典』(柏書房・2004年・p310~311・3821 / 297 /004)には「磨光世中魂」(1790)(備考※1)、「敵討桔梗原」(1804)(備考※2)等からの挿絵が所収されている。飲んでいる人は床几台(長椅子)に腰掛けたり、床に座ったりして、座面に直に飲食物を置いている。
『図説江戸4 江戸庶民の衣食住』(学習研究社・2003年・58~59p・2105 /1089 /004)には“「縄暖簾」とも、また「煮売り酒屋」「尻掛酒屋」とも呼ばれていたようである(略)現在の時代劇にみられるような、四本脚のテーブルやいすはなかった(略)酒をちろりという容器に入れ、湯煎して温めて杯で飲む燗酒が一般的な飲み方だった。のち、ちろりにかわって銚子が一般的になった”とある(銚子=徳利の意と思われる)。煮売り屋の風景として「鶏声粟鳴子」からの挿絵が所収されている。
『ヴィジュアル日本生活史 江戸の料理と食生活』(小学館・2004年・p124・3838 /174 /004)には「揚酒屋賑ひの図」が所収されている。説明に“風刺画だが、幕末の居酒屋の雰囲気をよく表している”とあり、座面に直置きは変わらないが、ここでは徳利が使われている。
(備考)
※1 「磨光世中魂」(国立国会図書館デジタルライブラリー) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9892665/5 (最終アクセス:2016年9月21日)
※2 「敵討桔梗原」(国立国会図書館デジタルライブラリー) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9893050/16 (最終アクセス:2016年9月21日)
※3 「江戸食文化紀行 No.182 居酒屋」(歌舞伎座HP) http://www.kabuki-za.com/syoku/2/no182.html (最終アクセス:2016年9月21日)