東京都港区六本木の地名は「××木」という武士が六人住んでいたからというのは本当か。(2015年)

2016/02/03

 一般的に諸説伝えられる古い地名の由来は、どの説が正しいと断定するのは難しいといえます。この場合も(1)「木」と付く名前の武家屋敷があった(2)大木が六本あった(3)江戸六方の男達(おとこだて)が住んでいた等の説があります。

 

(回答プロセス)

【資料1】『江戸・町づくし稿』中巻によると、古木の松が六本あったため(『御府内備考』)、「上杉・朽木・高木・青木・片桐・一柳」などの屋敷が六軒あったためで六本樹木があったわけではない、また江戸六方の男達(おとこだて)が住んでいたことから「六方気」が誤って「六本木」となった(『遊歴雑記』)という説を紹介。
【資料2】『角川日本地名大辞典』13(東京都)によると「松の大木が六本あった」等諸説あり。
【資料3】『江戸東京地名事典 新装版』によると「上杉・朽木・高木・青木・片桐・一柳」の大名屋敷があった。
【資料4】『東京の地名由来辞典』は大木説、武家屋敷説紹介。

(参考資料)

【資料1】『江戸・町づくし稿』中巻 岸井良衛編 青蛙房 1975年 2136/310/2 p.135

【資料2】『角川日本地名大辞典』13(東京都) 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1991年 2910/2/14-S00 p.761

【資料3】『江戸東京地名事典 新装版』菊地秀夫著 雪華社 1981年 2913/536/81 p.57

【資料4】『東京の地名由来辞典』竹内誠編 東京堂出版 2006年 2913/1069/006 p.446

 【資料5】『日本歴史地名大系 第13巻 東京都の地名』平凡社地方資料センター/編 児玉幸多/監修 平凡社 2002年 2910/139/13-S00 p.388

【資料6】『東京都港区近代沿革図集 〔5〕 麻布・六本木』東京都港区立三田図書館/編 東京都港区立三田図書館 1977年 C3635/2913/4-5 p.192 (三田図書館 編『東京都港区近代沿革図集』麻布・六本木,三田図書館,1977.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12147381/ (参照 2023-04-25))

【資料7】『六本木』柴田清太郎/編 麻布第一復興土地区劃整理組合 1954年 5188/275/54 p.2 (柴田清太郎 等編『六本木』,麻布第一復興土地区劃整理組合,1954. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2470806/ (参照 2023-04-25))

 【資料8】『「六本木」には木が6本あったのか? 素朴な疑問でたどる東京地名ミステリー』(朝日新書 661)谷川彰英/著 朝日新聞出版 2018年 2913/1549/0018

(備考)

港区公式ホームページ  https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/kuse/gaiyo/chimerekishi/25.htmlwindow open  (2016/1/7確認)

港区立港郷土歴史館  https://www.minato-rekishi.com/  (2023/4/25確認)
港区立三田図書館  http://www.lib.city.minato.tokyo.jp/j/index.cgi  (2023/4/25確認)

(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000178533window open