企画展 5F

2005年09月01日(木)〜10月16日(日)

安政の江戸大地震150年

安政の江戸大地震150年

 

「しんよし原なまづゆらひ(鯰絵)」

「しんよし原なまづゆらひ(鯰絵)」

 

本年は、1855年(安政2)に江戸で大地震が発生してから150年目にあたります。本展覧会は、当館で取り組んでまいりました館蔵資料を中心とする調査・研究の成果を、この節目の年にあたり、一堂に展示するものです。 また、歴史地震研究会の特別なご協力を得て、この安政大地震に関する地震学の最新の研究成果も合わせて公開いたします。

現在の視点からこの江戸大地震を見つめ、当時の経験や対応から学び、将来への危機管理に役立てばと思います。

 

1.安政期 (1854~1860)の世相 ―開国と災害―

1853年(嘉永6)にアメリカのペリー提督が軍艦4隻とともに浦賀沖に来航し、その翌年に、元号が「安政」となりました。しかし安政期には天変地異が続き、外国との関係をめぐって国内も不穏な状況でした。「安政」とは程遠い当時の様子を、年表や刷り物などで示します。

 

2.地震の震源

安政江戸地震は、どれくらいの規模で、どれほどの被害があったのでしょうか。最新の地震学の成果に基づいた震度の分布図や火災により焼失した地域の図などと、これらの図のデータのもとになった資料を合わせて展示します。

 

3.地震後の江戸

江戸城の将軍から江戸市中の武士や町人まで、地震発生直後の人びとの様子を、当館所蔵の古文書からうかびあがらせます。江戸幕府が設置したお救い小屋や、江戸市中の人々による施行など「助けあう人びと」に注目し、地震後に出版された大量の瓦版・鯰絵の展示を通して「あふれる情報」の様相を概観します。

 

4.地震観と防災

江戸時代の人びとは、地震がどのように発生し、どうしたら地震を防ぐことができると考えていたのかを紹介します。

 

5.安政江戸地震と現在

開催概要

開催期間 2005年9月1日(木)~10月16日(日)
会場 江戸東京博物館 常設展示室5階 第2企画展示室
休館日 毎週月曜日休館(ただし9月19日(月・祝)は開館、翌9月20日(火)は休館)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(木・金曜日は午後8時まで)
観覧料金 常設展観覧料でご覧になれます。
主催 東京都江戸東京博物館
特別協力 歴史地震研究会

主な展示資料

「丹後国田辺藩牧野家の日記」

「丹後国田辺藩牧野家の日記」

13代将軍徳川家定は地震の時、江戸城の吹上に避難して無事であったことが記されている。

「安政見聞誌」

「安政見聞誌」

町名主の斎藤月岑が見た地震後の江戸(部分)

 

「地震預防説」

「地震預防説」

「安政大地震瓦版」

「安政大地震瓦版」

 

「しんよし原なまづゆらひ(鯰絵)」

「しんよし原なまづゆらひ(鯰絵)」

「お救い小屋の図」

「お救い小屋の図」

 

 

「弁慶なまづ道具」

「弁慶なまづ道具」

関連事業

歴史地震研究会・江戸東京博物館公開講座
「首都直下地震について語る-安政江戸地震を踏まえて」

開催日 9月17日(土)
開催時間 14時~16時30分
会場 1階会議室
「安政江戸地震とその被害」 宇佐美龍夫(東京大学名誉教授)
「安政江戸地震と名所江戸百景」 小澤弘(江戸東京博物館教授)
「想定首都直下地震について」 溝上恵(東京大学名誉教授)
*入場無料 応募人数90名。
*本講座へのお申し込みは、往復葉書にて承ります。
ご希望の講座名、氏名、住所、電話番号、年齢をご記入の上、下記の宛先までお送りください。
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1 江戸東京博物館「公開講座事務局」
*応募締切 8月30日(火)(消印有効。1講座につき往復葉書1枚・1名でのご応募となります。)

 

えどはくカルチャー 展覧会関連講座

9月1日(木)

「嘉永文化と安政大地震」 吉原健一郎(成城大学教授)

9月8日(木)

「安政地震と復興」 北原糸子(神奈川大学非常勤講師)

9月11日(日)

「安政江戸地震と鯰絵」 冨沢達三(神奈川大学日本常民文化研究所・特別研究員)

9月30日(金)

「史料が語る安政江戸地震」 高山慶子(江戸東京博物館講師)

*いずれも14時~15時30分
*受講料:各1,000円(800円)
*()内は江戸東京博物館、たてもの園の友の会、ボランティア所属の方対象の受講料。

 

ミュージアムトーク「安政の江戸大地震150年」

開催日 9月9日(金)、23日(金)
時間 16時~16時30分
集合場所 5階常設展示室・日本橋下集合