2015/06/08
『番付で読む江戸時代』(林英夫・青木美智男編,柏書房,2003,2105/L1133/003)に、「諸国温泉効能鑑」という番付が載っています(備考※1)。当時の最高位である大関は、東が上州草津ノ湯、西は摂州有馬ノ湯となっています。解説によりますと、「江戸時代の大部分は、療治・休養の場として湯治客を迎える宿であり、歓楽・遊楽を目的とする場ではなかったと推測される」とあります。さらに草津温泉の繁忙期の様子や城の崎温泉、熱海温泉の詳細が、「草津繁昌記」「但州湯嶋道中独案内」「熱海温泉図彙」等々の文献をもとに書かれています。また、『江戸温泉紀行』(板坂耀子編著,平凡社, 1987,2910/99/87)には、「有馬日記」「玉匣両温泉路記」など、湯治場である有馬温泉や熱海・箱根の様子が窺えるものが集められています。「近世の温泉と領主政策-仙台藩領の温泉を事例に-」(『日本歴史』第708号,2007.5)は領主の立場から見た温泉に対する政策が論じられています。『江戸の温泉学』(松田忠徳著,新潮社,2007 3836/29/007)も江戸時代の温泉を知るには興味深い一冊です。
(参考資料)
『番付で読む江戸時代』(林英夫・青木美智男編,柏書房,2003年,2105/L1133/003) (「諸国温泉効能鑑」という番付が載っています。備考※1)
『江戸温泉紀行』(板坂耀子編著,平凡社, 1987年,2910/99/87) (「有馬日記」「玉匣両温泉路記」など、湯治場である有馬温泉や熱海・箱根の様子が窺えるものが集められています。)
「近世の温泉と領主政策-仙台藩領の温泉を事例に-」(『日本歴史』第708号,2007年5月) (領主の立場から見た温泉に対する政策が論じられています。)
『江戸の温泉学』(松田忠徳著,新潮社 2007年 3836/29/007)
『江戸の温泉三昧 温泉に癒される人々温泉に生きる人々』(鈴木一夫著 岩田書院 2010年 3836/32/0010)
『錦絵にみる日本の温泉』(木暮金太夫編 国書刊行会 2003年 3836/31/0003)
(備考)
※1『諸国温泉功能鑑』(江戸東京博物館:収蔵品検索) https://www.edohakuarchives.jp/detail-11925.html
※2『諸国温泉鑑』(東京都立図書館) http://www.library.metro.tokyo.jp/the042/no3/tabid/3123/Default.aspx (20/8/15確認)
(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000036423