2005.10.29(Sat)〜2005.12.11(Sun)

特展 1F

生誕120年 川端龍子展

生誕120年 川端龍子展

 

「会場芸術主義」を掲げ、在野の巨人といわれた異色の画家川端龍子。 その代表作とともに、類稀なる芸術活動の軌跡をたどります。

川端龍子は、1885(明治18)年、和歌山市に生を受けました。その生誕から120年目に当たる本年、 近代日本画の異端者、在野の巨人と評された龍子の足跡をたどる展覧会を開催いたします。 川端龍子は、大正時代から昭和40年代にかけて活躍した日本画家です。「繊細巧緻」な画風が主流であった昭和初期の日本画界にあって、展覧会という「会場」で、鑑賞者に訴える力を持つ「会場芸術主義」を提唱し、日本画の型を破る奇抜、豪放、大画面の超大作を次々と生み出しました。 本展では、生涯にわたり精力的に活動を続けた龍子の画業を、生い立ち、挿絵画家の活動から院展時代、青龍社時代、戦前戦後を経て晩年の活動に至るまで、代表作などを通して振り返り、近代日本の画壇において稀有な存在であった一画人の足跡をたどります。 龍子が当初、生活の糧としていた雑誌の挿絵や双六、龍子が創設した青龍社時代の作品を中心とした約130点を展覧します。このなかには、横幅3.5mから28mの超大作十数点や、未公開のスケッチが含まれます。これら超大作をゆっくり鑑賞できるような会場構成にします。 「龍子の前に龍子はなし、龍子の後に龍子はなし」と評され、近代日本画の異端者、在野の巨人と言われた龍子の「会場芸術主義」の神髄をご堪能ください。

 

川端龍子 略歴

「川端龍子」

「川端龍子」

 

幼少より絵を描くことに興味を抱いていた龍子は、家族とともに1895(明治28)年に和歌山から上京した後、画家を志します。日露戦争の開戦の年となった1904(明治37)年、白馬会洋画研究所に入り、ついで太平洋画研究所において本格的に洋画を学ぶとともに、『ハガキ文学』『東京パック』といった雑誌の挿絵を描き、 明治年間を通じて挿絵画家として活躍しました。1913(大正2)年、洋画を学ぶため龍子はアメリカへ渡りますが、この渡米が契機となり、翌年の帰国後日本画へと転向することとなります。
1914(大正3)年には、日本美術院が再興され、龍子はこの再興院展を舞台に日本画家としての地歩を固めていきます。そして再興美術院同人となった後も、「繊細巧緻」が主流であった院展の作風に飽きたらず、展覧会という「会場」において、観衆である大衆に訴える力を持つ作品を指向し、大作主義による「会場芸術主義」を掲げ、その実践の場を得るため美術院を脱退、1929(昭和4)年、自ら日本画団体「青龍社」を 創設しました。

開催概要

開催期間 2005年10月29日(土)~ 12月11日(日)38日間
会場 江戸東京博物館 1階 企画展示室
休館日 毎週月曜日(ただし、祝日は開館し、翌日休館)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(木曜・金曜は午後8時まで。入館は閉館の30分前まで。)
主催 財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館 毎日新聞社
出品点数 約130点
観覧料金
企画展観覧券 企画展・常設展
共通観覧券
一般 1000円(800円) 1280円(1020円)
大学・専門学校生 800円(640円) 1020円(810円)
中学生(都外)・高校生
65歳以上
500円(400円) 640円(510円)
小学生・中学生(都内) 500円(400円) なし

 

※ ( ) 内は20名以上の団体料金。

 

※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料なので、共通観覧券はありません。

 

※次の場合は観覧料が無料です。
未就学児童、身体障害者・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方。

巡回先 ■茨城会場 茨城県天心記念五浦美術館
2006年1月2日(月)~2月19日(日)43日間
■滋賀会場 滋賀県立近代美術館
2006年4月11日(火)~5月21日(日)36日間

 

「生誕120年 川端龍子展」(東京会場) 出展作品リスト

東京会場出展作品リストをダウンロードする

主な展示品

「請雨曼荼羅」 

「請雨曼荼羅」
1929(昭和4)年
川端龍子画 大田区立龍子記念館蔵
展示期間:10月29日(土)~11月27日(日)
©Katsura Kawabata,Minani Kawabata&JAA2005

「爆弾散華」

「爆弾散華」
1945(昭和20)年
川端龍子画 大田区立龍子記念館蔵
©Katsura Kawabata,Minani Kawabata&JAA2005

 

「南飛図」

「南飛図」 1931(昭和6)年
川端龍子画 和歌山市立博物館蔵
©Katsura Kawabata,Minani Kawabata&JAA2005

 

「新樹の曲」

「新樹の曲」 1932(昭和7)年
川端龍子画 個人蔵
©Katsura Kawabata,Minani Kawabata&JAA2005

 

「草の実」

「草の実」 1931(昭和6)年
川端龍子画 大田区立龍子記念館蔵
©Katsura Kawabata,Minani Kawabata&JAA2005

関連事業

「生誕120年 川端龍子展」 開催記念企画
「川端龍子展を詠む」 入選作品発表

10月29日(土)から11月30日(土)まで、「生誕120年 川端龍子展」をみて創作したオリジナル俳句を広く募集したところ、多くの方々よりご応募いただきました、ありがとうございました。 つきましては、「狩」同人である片山由美子氏選出により、下記の方々が入選いたしました。おめでとうございます。
主催者一同

 

江戸博館長賞

群青の夜空を渡る雁の群
足立区 佐海みや子

入賞

草枯れて金色の野となりにけり
千葉市 小嶋信貴

往年のしこ名掲げてちゃんこ鍋
品川区 大貫松子

大作に足を留むる秋灯下
世田谷区 山上裕子

秋の夜は書をひとときの友とせり
足立区 小嶋誠

水温み龍子の河童沼を恋う
葛飾区 小林三郎

 

ギャラリーコンサート

壮大なスケールの龍子の作品を、弦楽四重奏の美しい調べとともに、ご鑑賞ください。会場内には椅子もご用意しておりますので、ゆっくりと楽曲をお楽しみいただくこともできます。

開催日時 第1回 2005年11月3日(木・祝) 午後6時30分~午後7時45分 <終了しました>
第2回 2005年11月25日(金) 午後6時30分~午後7時45分 <終了しました>
※終演時刻は、演奏の都合上、若干前後することがございます。
開催場所 江戸東京博物館 企画展室内
出演者 新日本フィルハーモニー交響楽団
宇野沢美緒・澤田和慶・吉鶴洋一・弘田徹
プログラム 第1回 ドビュッシー 弦楽四重奏曲 他1曲
第2回 ショスタコービッチ 弦楽四重奏曲第7番 他1曲
※演奏楽曲は都合により変更する場合がございます。
料金 企画展観覧券でご鑑賞いただけます。
参加方法 事前のお申し込みの必要はありません。当日、観覧券をお持ちのうえ、直接会場にお越しください。なお、開演時間中は自由入場となりますが、会場内の席数には限りがございますので、着席をご希望のかたは早めにご来場ください。

 

「生誕120年記念 川端龍子展」関連講座    ※えどはくカルチャー

■『東京の画家としての川端龍子、その気概』
日時 11月5日(土) 午後2時~午後3時30分 <終了しました>
会場 江戸東京博物館 1階会議室
講師 岡部昌幸(帝京大学助教授)
定員 130名
受講料 1,000円(ボランティア・友の会 800円)
講座コード 0510-4-01
応募締切 10月19日(水)

 

■『龍子、南へ行く -近江丸Ⅱの旅-』
日時 11月11日(金) 午後7時~午後8時30分 <終了しました>
会場 江戸東京博物館 1階会議室
講師 岩城紀子(学芸員)
定員 130名
受講料 1,000円(ボランティア・友の会 800円)
講座コード 0510-4-02
応募締切 10月26日(水)

 

■『川端龍子と色』
日時 11月15日(火) 午後2時~午後3時30分<終了しました>
は、 都合により中止となりましたのでご了承ください。

 

■お申し込み方法・お問い合わせ

※( )内の金額は江戸東京博物館・たてもの園の友の会・ボランティア所属の方、対象の受講料となります。
※往復はがきにご希望の講座名・日付・氏名・住所・電話番号、友の会・ボランティア所属の方はその旨ご記入の上、下記までお送りください。(応募締切日消印有効・希望の講座1つにつき往復はがき1枚・1名でのご応募となります)
※定員を越えた場合は抽選となります。
※当選・落選のご案内は、開講日の10日~1週間前までにご返信いたします。(万一返信のない場合はお問い合わせください)
【江戸東京博物館 えどはくカルチャー】
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
お問い合わせ:03-3626-9974(総合案内)