2009.12.12(Sat)〜2010.02.07(Sun)
2009.12.12(Sat)〜2010.02.07(Sun)
兵庫県たつの市立龍野歴史文化資料館には旗本浅野家に関する古文書「若狭野浅野家資料」が所蔵されています。旗本浅野家は、現在の兵庫県相生市若狭 野に陣屋を構えていた大身旗本で(知行3000石)、あの元禄赤穂事件で著名な赤穂浅野家の分家です。しかも、赤穂事件の立て役者大石良雄の父の従弟長恒 が浅野家の養子となって成立した旗本でもありました。同家は、こうした来歴から赤穂浅野家から特に重んじられ、赤穂本家改易後に同家の事後処理を担い、そ の文書などを引き継ぐこととなりました。よって「若狭野浅野家資料」には、江戸文化を語るうえで見逃せない赤穂事件関連の古文書が多く伝存することとなり ました。
江戸東京博物館では龍野歴史文化資料館の協力を得て、平成 20 年度からこの赤穂事件と関わりの深い「若狭野浅野家資料」の調査を進めてきました。その成果を平成 21 年度企画展「旗本がみた忠臣蔵―若狭野浅野家三千石の軌跡―」と題して展示します。忠臣蔵人気に沸く世相を横目にしつつ、赤穂主従を静かに回向し続けた、 旗本若狭野浅野家三千石の軌跡をご覧下さい。
会期 | 2009年12月12日(土)~2010年2月7日(日) | ||||||||||
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休館日 | 月曜日。 但し、2010年1月4日(月)・11日(月)・18日(月)は開館 2009年12月28日(月)~1月1日(金)・5日(火)は休館 |
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開館時間 | 9時30分~17時30分、土曜日は19時30分まで(入館は閉館の30分前まで) ※2010年1月2日、3日は午前11時~午後5時30分まで開館。 1月4日より通常の開館時間になります。 |
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会場 | 東京都江戸東京博物館 常設展示室5階 第2企画展示室 | ||||||||||
常設展 観覧料 |
※常設展観覧料でご覧になれます。
※( )内は 20 人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
※次の場合は常設展観覧料が無料です。
※特別展の会期中は、お得な特別展・常設展共通観覧券もございます。 |
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主催 | 東京都 東京都江戸東京博物館 |
第1章~第4章では、赤穂事件以前の平穏な時代における赤穂浅野家の様子と、分家旗本3家の成立事情について展示します。
第5章~第7章では、元禄赤穂事件が若狭野浅野家に与えた影響について、とくに、江戸鉄炮洲上屋敷の収公から明らかにします。また、事件後、改易となった赤穂本家を静かに回向する若狭野浅野家の姿についてとりあげます。
若狭野浅野家に伝来した甲冑(相生市立歴史民俗資料館蔵)をご覧いただき、赤穂浅野家の分家旗本若狭野浅野家について、簡単に紹介します。
「若狭野浅野家資料」のうちで注目すべき古文書の一つに赤穂浅野家4代の口宣案があります。口宣案とは、大名が朝廷から官位官職を受けた際に、幕府 経由で発給された文書の一つです。大名の身分に関わる重要な文書で、どの大名家でも大切に保管していました。江戸時代前期に改易された大名家の口宣案が伝 来することは珍しく、たいへん貴重な古文書です。この口宣案を中心として、浅野家4代の事跡を展示します。
赤穂浅野家には3つの分家旗本(若狭野浅野家・家原浅野家・浅野大学家)がありました。いずれも赤穂本家を助けるために赤穂浅野家の領知を分け与え られて成立した家々です。そのため刃傷事件の際には、「遠慮」「閉門」処分を受けるなど、多大な影響を受けました。とくに若狭野浅野家は、大石良雄の父の 従弟長恒が大石家から浅野家に養子となって成立した家で、事件の際にはその事後処理にあたるなど、影響は甚大でした。ここでは、赤穂浅野家と運命をともに した分家旗本3家の成立事情を若狭野浅野家を中心に展示します。
元禄赤穂事件(殿中刃傷事件・吉良邸討入事件)は、「犬公方」と称された5代将軍綱吉の存在抜きには語れません。というのも、事件の裁定にあたって は将軍の意向が強く働いたからです。ここでは、その将軍綱吉の事跡を中心に、赤穂事件の時代背景をお伝えします。あわせて、同時代に綱吉政権下のよき官僚 として活躍した若狭野浅野家初代長恒の事跡について、とくに伊勢山田奉行としての活躍を中心に取り上げます。
赤穂浅野家の江戸上屋敷は鉄炮洲にあり、赤穂事件以後、小浜酒井家の上屋敷となりました。「若狭野浅野家資料」には、赤穂事件で収公される直前の 「鉄炮洲屋敷図」が含まれています。また小浜市立図書館「酒井家文庫」には収公後、小浜酒井家上屋敷となった直後の「鉄炮洲御屋敷惣絵図」が伝蔵されてい ます。ここでは、赤穂事件以前と以後の変化を如実に物語る二つの屋敷絵図史料を中心に、赤穂事件の概要とその影響を展示します。
赤穂事件は、その最中から江戸っ子の耳目を集め、のちの江戸文化において、様々な素材となっていきます。ここでは「若狭野浅野家資料」を離れて、徳 川林政史研究所に所蔵されている片岡源五右衛門関連の古文書をとりあげ、義士の伝説化の動きに注目します。また、江戸東京博物館所蔵錦絵を中心として、赤 穂事件が「忠臣蔵」として江戸文化の中で花開いた様子をご覧いただきます。
若狭野浅野家は、赤穂事件以後、赤穂本家に連座して「遠慮」を申し付けられ、在任中であった山田奉行を辞任に追い込まれます。しかし、事件後しばら くすると再び幕府の上級役人としての地位を復活させ、歴代当主によって数々の役職が歴任されていきます。事実「若狭野浅野家資料」には幕府役職に関する多 くの古文書が存在します。ここでは若狭野浅野家が幕府のために精勤する姿から、本家大名の失態を職務に励むことで挽回しようとする分家旗本の姿を描きます。
忠臣蔵の人気とは裏腹に、断絶した赤穂本家および本懐を遂げた赤穂四十六士の回向は、幕府をはばかるものでした。しかし、赤穂本家の古文書を引き継 いだ若狭野浅野家は、事件以後、地道にそれらの回向を続けていきます。ここでは、赤穂浅野家の菩提寺台雲山花岳寺(兵庫県赤穂市)の紹介を中心に、若狭野 浅野家による赤穂主従の回向の姿をご覧いただきます。
明治維新後、幕府をはばかる必要のなくなった若狭野浅野家では、さまざまな思惑のもと、浅野長矩および赤穂義士の復権を歎願し、かれらの名誉回復を はかろうとします。新しい時代における赤穂事件に対する捉え方をこの復権運動からご覧いただきます。関連古文書「(御一新後浅野長矩主従御赦免願)」は必 見です。
おもな展示資料(予定)
・口宣案(豊臣長則(浅野長重))
・浅野長重宛台徳院御朱印状写
・口宣案(浅野長忠(長直))
・浅野長直宛厳有院御朱印状写
・口宣案(浅野長友)
・宣旨(浅野長友)
・口宣案(浅野長矩)
・口宣旨(浅野長矩)
・大石頼母宛山鹿素行血判状(知行指上申度儀ニ付)
・鉄炮洲屋敷図(赤穂浅野)
・(御一新後浅野長矩主従御赦免願)
*すべて、たつの市立龍野歴史文化資料館所蔵、東日本初公開! 展示予定数 約90点
浅野長矩が事件直前まで生活していた |
延宝8年に浅野長矩が内匠頭に |
若狭野浅野家の陣屋跡(兵庫県相生市若狭野) |
赤穂城請取のとき作成された |
江戸新大橋際(現在の中央区日本橋浜町) |
日時 | 2009年12月12日(土) 13:30 ~ 17:30 | ||||||||||||||||||||||||
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場所 | 江戸東京博物館 1Fホール | ||||||||||||||||||||||||
主旨 | 元禄赤穂事件で改易となった赤穂浅野家には、分家筋にあたる旗本浅野家がありました。この家は、播州赤穂郡若狭野に陣屋をかまえた3000石 の旗本で、赤穂浅野家改易の際には本家がもっていた古文書の多くを引き継ぎ、今に残しました。現在は、龍野歴史文化資料館(兵庫県)に「若狭野浅野家資 料」として所蔵されています。この一連の古文書群には、例えば、浅野内匠頭長矩が生まれ育った鉄炮洲上屋敷 (現在の中央区明石町)の絵図があり、また、旗本浅野家最後の当主長発が、赤穂主従の復権を新政府に歎願した書類があるなど、ありし日の赤穂浅野家を偲ば せる貴重な古文書に満ちています。 一方、旗本浅野家の歴代当主は、大身の旗本としてさまざまな幕府の重職を勤めています。例えば初代長恒は、伊勢山田奉行として活躍し、伊勢遷宮の御用材 調達に多大な功績を残しました。あるいは、数代にわたって火事場見廻りを勤め江戸の防火に一役買うなど、有能な旗本一家でありました。そうした様子がうか がえる古文書もまた、若狭野浅野家資料には多くふくまれています。 江戸東京博物館では、所蔵館の協力を得て、徳川林政史研究所との共同研究事業として、平成20年から若狭野浅野家資料の調査を進めました。そして、今回 その成果をフォーラムとして報告いたします。旗本浅野家の古文書からみた元禄赤穂事件のよすが、あるいは旗本一家の活躍をお楽しみください。 なお関連企画として、平成21年度企画展「旗本がみた忠臣蔵―若狭野浅野家三千石の軌跡―」(会期:2009年12月12日~2010年2月7日)が開催されます。合わせてご覧下さい。 |
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プログラム |
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申込み方法 | 【応募方法】 往復ハガキに、①住所②氏名③電話番号を明記して、 下記、問い合わせ先に郵送して下さい。1枚につき1名のみの応募となります。 【応募〆切】 11月28日(土)当日消印有効 【定員】 360名 ※応募者多数の場合は抽選を行います。 【料金】 入場無料【問い合わせ先】 〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1 東京都江戸東京博物館 都市歴史研究室フォーラム担当 TEL:03-3626-9974(総合案内) |
詳細は2010年新春えどはくカルチャーを参照ください。
企画展「忠臣蔵」
日時 | 2009年12月18日(金)・12月25日(金) 午後4時 ~ |
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場所 | 5階常設展示室 日本橋下 |