2017.03.07(Tue)〜2017.05.07(Sun)
2017.03.07(Tue)〜2017.05.07(Sun)
1941年(昭和16)12月、日本は英米との間で戦争状態に突入しました。翌年4月18日の米軍による初空襲により、東京も荒川区、牛込区等において中学生ほか39名が犠牲となりました。その後、戦争が長引くにつれて日本は劣勢となり、本格的に空襲の危機が迫るなか、東京のこどもたちは、どのような日々をすごしていたのでしょうか。
1944年(昭和19)7月のサイパン陥落後、8月から9月にかけて都内の国民学校3年生から6年生23万人の学童が三多摩のほか14県へ「集団疎開」しました。翌年3月の大空襲後は疎開地移転の「再疎開」、低学年対象の「二次疎開」も行われました。一方、中学校や高等女学校の生徒は、学校工場で、あるいは近隣、遠隔地に動員されて、飛行機の部品製造や風船爆弾の気球製造など軍需産業の勤労奉仕に明け暮れました。
東京は1944年(昭和19)11月から翌45年8月まで、多摩、島嶼部合わせて122回にわたる空襲を受け、市民の生活圏が戦場となりました。そして1945年(昭和20)3月10日未明、東京の下町は米軍による325機のB29による大空襲により、2時間余で約1700トンの焼夷弾が下町地域に投下されて火の海となり、推定10万人以上の市民が犠牲となりました。
戦後70年あまりの時を経た現在、このような体験が語り継がれる機会も少なくなってきています。そこで、今回の展示では、これまで資料の収集・展示活動を通じて館に寄せられた、当時のこどもたちの言葉や体験から戦時下東京のくらしを振り返ります。
本展でとりあげる1929年(昭和4)から34(昭和9)年に生まれた10人のこどもたちは、12歳から7歳で開戦を迎え、それぞれの体験を通じて成長していきました。彼らの体験談やゆかりの品々の展示を通じ、平和の尊さを考える場とします。
会期 | 2017年3月7日(火)~5月7日(日) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
会場 |
東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5F企画展示室
・JR 総武線 両国駅西口、徒歩3分 |
||||||||||
開館時間 |
午前9時30分~午後5時30分 |
||||||||||
休館日 |
3月13日(月)・21日(火)・27日(月)、 |
||||||||||
主催 | 東京都 東京都江戸東京博物館 | ||||||||||
観覧料金 | 常設展観覧料でご覧になれます。
*( )内は20人以上の団体料金。消費税込。
*次の場合は常設展観覧料が無料です。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
*毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は常設展観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください。
*毎月第3土曜日と続く日曜日(家族ふれあいの日)に観覧の、18歳未満の子を同伴する都内在住の方2名まで、常設展観覧料が半額になります。
*特別展の会期中は、お得な特別展・常設展共通観覧券もございます。(特別展の料金は展覧会ごとに定めます) |
〈10人のこどもたちの紹介〉
・国民学校
教科が記された通信簿、豚革製・布製ランドセル、国民学校服
・「体練」の授業
木銃、木製薙刀(なぎなた)、学校教練の写真
・ドレミ禁止の音楽
ハニホヘト鍵盤の木製オルガン、「隣組」楽譜
・初空襲
初空襲について書いた小学生の日記
・駄菓子屋からお菓子が消えた!
標語「欲しがりません勝つまでは」菓子袋、小供菓子購入票
・動物園から猛獣が消えた!
東京市恩賜公園動物園案内図、上野動物園絵葉書「トラ オス」、「ホッキョクグマ メス、オス」
〈主な展示資料〉
豚革製・布製ランドセル 江戸東京博物館所蔵 |
戦闘機柄着物地 江戸東京博物館所蔵 |
・お家の疎開
京橋区建物疎開地区図
・こどもも集団疎開
ヤヨイさん図画、家族からの手紙
アキヒロくん疎開日記
ケイスケくん疎開地集合写真
・お姉さんは工場へ
ケイコさん「御賜の煙草」パッケージ
レイさん風船爆弾関係文書(東宝劇場)
ミチコさん中島飛行機工場作業服姿写真
モトコさん「神風」はちまき
〈主な展示資料〉
小松川第五国民学校疎開先(山形県湯野浜)で朝の体操後の写真 |
ヤヨイさんと友人(山形県湯野浜にて) |
女学生が動員された風船爆弾気球部製造 満球テスト |
・ケイコさん一家3月10日空襲避難経路地図
・罹災証明書、死亡証明書からみた東京大空襲
・疎開したこどもたちと東京大空襲
被災資料:ちゃぶ台、ガラス破片、新宿駅東口付近焼け跡カラー写真
〈主な展示資料〉
新宿駅東口の焼け跡 |
空襲の火の粉を避けて逃げた時背負ったちゃぶ台(5月25日空襲) |
・授業再開 焼け残った校舎での授業
復学できなかった人々
・東京で生き残るために 焼け跡の部材で建てた小屋での生活
企画展「戦時下東京のこどもたち」展みどころ
学芸員による展示解説です。お気軽にご参加ください。
【日時】3月10日(金)・3月31日(金)午後4時~(30分程度)
【集合場所】常設展示室5階 日本橋下・朝野新聞社前
企画展「戦時下東京のこどもたち」展 関連講座
展覧会に関連した講座を開催いたします。
展覧会の理解をより深めてくれる内容となっています。
ぜひご参加ください。
3月10日(金)「戦時下東京のこどもたち」
3月17日(金)「女学生の勤労動員と風船爆弾」
※各回 午後2時~午後3時30分
※往復はがきによる事前申込制となります。
応募方法や受講料など詳細は、東京都江戸東京博物館ホームページ
および館内配布のチラシ等でご確認ください。