2014.01.02(Thu)〜2014.03.02(Sun)

Special Exhibition 1F

大浮世絵展

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あなたの見たい浮世絵に出会えます。

 日本が世界に誇る浮世絵は、江戸時代の初期に始まり、歌麿、写楽、北斎、広重などのスター絵師の活躍や、強烈なインパクトを放つ国芳らの登場を経て、小林清親や橋口五葉などの近代の画家に引き継がれました。 本展は、浮世絵研究の成果を世界に発信している「国際浮世絵学会」の創立50周年を記念して、浮世絵の名品を日本国内および世界各地から一堂に集めるものです。好事家ならずとも目にしたことのある代表的な作品約430点により、浮世絵の全史を通覧します。まさに浮世絵の“教科書”、“国際選抜”となる展覧会です。(東京会場には約350点が展示されます。展示替あり。) 会場では、“浮世”を初めて絵画の題材として取り込んだ江戸時代初期の風俗図屏風を筆頭に、菱川師宣の初期浮世絵から、歌麿・写楽が登場した「黄金期」、北斎・広重・国芳が活躍した「展開期」、そして文明開化に沸く明治時代の新聞錦絵、橋口五葉が描いたモダンな女性まで、時代を追ってご紹介します。版画だけでなく、肉筆画も多数展示するとともに、大首絵、役者絵、相撲絵、上方絵などの浮世絵が持つ多彩なジャンルも網羅します。浮世絵の全貌を紹介し、その魅力を再認識していただく展覧会です。

開催概要

会期 2014年1月2日(木)~3月2日(日)
会場

江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
電話番号:03-3626-9974(代表)

・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分

・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分
・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統・
墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん (南部ルート) 」
「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分

開館時間

午前9時30分~午後5時30分

土曜日は午後7時30分まで。

※入館は閉館の30分前まで

休館日 1月6日・27日、2月3日・10日・17日・24日
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、国際浮世絵学会、読売新聞社
協力 日本航空
観覧料
観覧料(税込) 特別展専用券 特別展・
常設展共通券
特別展前売券
一般 1,300円(1,040円) 1,520円(1,210円) 1,100円
大学生・専門学校生 1,040円(830円) 1,210円(960円) 840円
中学生(都外)・高校生・ 65歳以上 650円(520円) 760円(600円) 450円
小学生・中学生(都内) 650円(520円) なし 450円

※(  )内は 20 人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料のため、共通券はありません。
※前売券は2013年9月2日(月)から1月1日(水)まで販売。
※チケット取扱:江戸東京博物館、チケットぴあ、ローソンチケットなど主要プレイガイド。
※手数料がかかる場合がございます。
※特別展・常設展共通券の販売は、江戸東京博物館のみです。

 

巡廻先

■名古屋市博物館 2014年3月11日(火)~5月6日(火)
【住所】〒467-0806 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
【ウェブ】名古屋市博物館ウェブサイト http://www.museum.city.nagoya.jp/

■山口県立美術館 2014年5月16日(金)~7月13日(日)
【住所】〒753-0089 山口県山口市亀山町3-1
【ウェブ】山口県立美術館ウェブサイト http://www.yma-web.jp/

 

展示資料目録
展示リスト

展示構成

1章 浮世絵前夜

浮世絵は、近世初期風俗画を母胎として、それに続く寛文年間(1661 ~ 73)を中心に流行した一人立ち形式の寛文美人図を経て生まれる。本章は、浮世絵の誕生に至るまでに描かれた肉筆画により構成する。

 

国宝「風俗図屏風(彦根屏風)」
国宝「風俗図屏風(彦根屏風)」肉筆画 滋賀・彦根城博物館蔵
(1/2~14展示)

近世初期風俗画の傑作で、遊里で遊ぶ男女の姿を画題とした当世風俗図。彦根藩井伊家伝来にちなみ「彦根屏風」と通称される。

 

2章 浮世絵のあけぼの

「浮世絵」という語は、延宝9年(1681)刊行の俳諧書『それぞれ草』の句の中に見出せるのが早い例であり、およそ、その頃には一般化しつつあったと思われる。当世の、最新流行の風俗を描いた浮世絵は、肉筆画のみならず、本や一枚物の版画の形でも刊行され始め、新興の浮世絵師は江戸で確かな地盤を築いて行く。 版画は、富裕でない庶民でも手に入れることのできる身近な絵画であり、新興都市“江戸”が生んだ新たなエネルギーであった。本章では、菱川師宣・鳥居清倍・ 奥村政信などの作品を取り上げる。

 

「見返り美人図」
「見返り美人図」菱川師宣
肉筆画 東京国立博物館蔵
Image:TNM Image Archives
(1/28~2/16展示)

浮世絵派を確立した師宣の立美人図の代表作で、振り返った姿を後から捉えた独得のポーズが新鮮。

 

「芝居狂言浮絵根元」
「芝居狂言浮絵根元」奥村政信
横大判墨摺筆彩  ベルリン国立アジア美術館蔵

©Staatliche Museen zu Berlin, Museum fur Asiatische Kunst, photography J urgen Liepe
(1/2~2/2展示)

遠近法を極端な形で用いた浮絵という手法で表現した劇場図。顔見世興行の舞台では、二代目市川海老蔵による暫が演じられている。

 

3章 錦絵の誕生

明和・安永期(1764 ~ 81)は、錦絵と呼ばれる段階にまで達した木版多色摺技法の発達により、浮世絵版画が急速に表現の可能性を広げた時代だった。多いときには10色以上の色を重ねる事も可能になり、色彩豊かで華麗な錦絵の誕生は、それまでの素朴な浮世絵版画のイメージを一新し、人々の目を驚かせた。本章は、錦絵創始期の第一人者となった鈴木春信、安永期を代表する美人画家である礒田湖龍斎、役者絵界に新風を送った一筆斎文調、勝川春章などを紹介する。

 

「風流五色墨 長水」
「風流五色墨 長水」鈴木春信
中判錦絵 ホノルル美術館蔵
Honolulu Museum of Art, Gift of James A. Michener, 1959 (14491)
Photo: Tim Siegert

(2/4~3/2展示)

 錦絵創始期の第一人者が鈴木春信。それまでの素朴な技法が一変して、洗練された鮮やかな色彩の多色摺木版画= 錦絵が誕生、以降の浮世絵界の盛行を促した。

 

「花下の遊女」
「花下の遊女」 勝川春章
肉筆画 千葉市美術館蔵

(2/4~16展示)

「春章一幅値千金」とも謳われて珍重された春章の肉筆画は、繊細な筆致と色彩の鮮やかさで鑑賞者を魅了する。

 

「中村富十郎の饅頭売 日向屋実は 日向姥ケ嶽の雌狐と、 9代目市村羽左衛門の酒売伊勢屋実は源九郎狐」勝川春章
「中村富十郎の饅頭売 日向屋実は 日向姥ケ嶽の雌狐と、
9代目市村羽左衛門の酒売伊勢屋実は源九郎狐」
勝川春章
大判錦絵 シカゴ美術館蔵
Photography cThe Art Institute of Chicago
(1/2~2/2展示)

人気役者の特徴をとらえて似顔で描き、春章の役者絵は芝居ファンの間で評判となった。

 

4章 浮世絵の黄金期

18世紀の後期を中心とする一時代は、浮世絵の美が頂点を極めた時期である。この時代に制作された浮世絵は、江戸の長い風俗画の歴史の中でもひときわ光り輝き、優れた絵師が陸続と輩出され、錦絵版画全盛の、浮世絵の黄金期となった。この時期、美人画や役者絵は大型化し、さらに浮世絵の人気を高めた。美人画の中で枢要をなした鳥居清長、青楼の絵師と謳われた喜多川歌麿、短期間に印象的な役者絵を残した東洲斎写楽、浮世絵界を席巻する歌川派を主導した歌川豊国、その門人である歌川国政らを紹介する。

 

「大川端夕涼」
「大川端夕涼」 鳥居清長
大判錦絵二枚続 大英博物館蔵
©The Trustees of the British Museum
(全期間展示)清長が作ったすらりとした八頭身美人たちが大川端で涼をとる。清長は、室内で描かれていた美人たちを江戸散歩に誘い出し、戸外で楽しげに遊ぶ姿を描いた。

 

重要美術品「夏姿美人図」
重要美術品「夏姿美人図」喜多川歌麿
肉筆画 埼玉・遠山記念館蔵

(2/18~3/2展示)

歌麿肉筆美人画の中の名品中の名品。絽ろの着物の質感描写が素晴らしく、女性の白い顔も気品があって凛としている。

 

「婦女人相十品・ポッペンを吹く娘」
「婦女人相十品・ポッペンを吹く娘」喜多川歌麿
大判錦絵 東京国立博物館蔵
(2/4~16展示)

薄いガラスが息をすったり吐いたりすることに反応して、ポッペン、ポッペンという音がするおもちゃを、若い娘がもて遊ぶ。清楚さとカワユイ感じが重なるこの娘の人相は、何を語るか?

 

重要文化財「3代目大谷鬼次の江戸兵衛」
重要文化財「3代目大谷鬼次の江戸兵衛」東洲斎写楽
大判錦絵 東京国立博物館蔵ほか
(1/15~26展示)

江戸兵衛が与作の下僕一平を襲うところを描く。つり上った 眉と目が凄みを表し、パッと開いた両手が、相手を驚かそうとする意志を強く表す。その指先の異様な形が印象的。

 

「円窓九美人図」(部分)
「円窓九美人図」(部分)鳥文斎栄之
肉筆画 静岡・MOA美術館蔵
(1/21~2/2展示)

年齢にも幅がある様々な階層の美人たちを描いた肉筆画。栄之が作り出した細面で首の長い美人図の典型が示される。美人図のレパートリー・ブックのようだ。

 

「市川鰕蔵の碓井の荒太郎定光」
「市川鰕蔵の碓井の荒太郎定光」歌川国政
大判錦絵 東京国立博物館蔵
(2/4~16展示)

暫を演ずる鰕蔵の顔を、真横からとらえた斬新な大首役者絵。市川家の三升の家紋も、上半分しか描かれないが、歌舞伎のファンにはこれで充分。

 

 

5章 浮世絵のさらなる展開

19世紀に入ると、多くの浮世絵師が登場し、制作された錦絵の数も増えた。また、美人画、役者絵という二大分野に風景画などが加わり、さらに活況を呈する。色彩はさらに豊かになり、誇張、強調された構図も目立つようになるなど、浮世絵はさらなる進化の相を見せる。本章では、葛飾北斎が革新し、歌川広重がそれに続いた風景版画および花鳥版画、また豊かな発想による歌川国芳の新鮮な作品群を中心に紹介する。同時に、江戸とは異なった歴史と作風を持ち、京都と大阪で版行された上方絵についても概観する。

 

「冨嶽三十六景 凱風快晴」
「冨嶽三十六景 凱風快晴」

葛飾北斎 大判錦絵
ベルリン国立アジア美術館蔵
(1/2~2/2展示)

印象的な朝焼けの一瞬をとらえた劇的な
作品。

 

「東海道五拾三次之内 箱根 湖水図」
「東海道五拾三次之内 箱根 湖水図」

歌川広重 大判錦絵
江戸東京博物館蔵
(2/4~3/2展示)

急な箱根の山道を黙々と進む大名行列で
ある。

 

「月に雁」
「月に雁」歌川広重
中短冊判錦絵 大阪・和泉市久保惣記念美術館蔵
(1/21~2/16展示)

広重は穏やかな花鳥図の名手でもあった。郵便切手でも名高い図。

 

「弘法大師修法図」
「弘法大師修法図」葛飾北斎
肉筆画 東京・西新井大師總持寺蔵
(2/4~3/2展示)
一生を通じて肉筆画を描き続けた北斎の作の中で最大のもの。
『伝神開手 北斎漫画』
『伝神開手 北斎漫画』葛飾北斎

浦上 満氏

(全期間展示・頁替あり)

 ヨーロッパでは北斎の代名詞的存在。北斎 のデッサンの確かさに驚かされる。
「相馬の古内裏」

「相馬の古内裏」歌川国芳
大判錦絵三枚続 名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
(2/18~3/2展示)

国芳は、横長の画面を存分に活用し、迫真的な作品を作り出した。鬼才国芳の奇想ぶりがよく発揮されている。

 

6章 新たなステージへ

幕末から明治維新にかけては、混乱の時代の中、浮世絵師は描くべき主題を模索しつつも迷走を続けた時期で、歌川国芳の門人である月岡芳年、西洋画を学んで独習したと伝えられる小林清親らが上げられる。また大正から昭和にかけては、版元渡辺庄三郎による新版画の試みが登場、橋口五葉や伊東深水、川瀬巴水などが活躍する。

 

「髪梳ける女」
「髪梳ける女」橋口五葉
木版 江戸東京博物館蔵
(2/4~3/2展示)

新版画運動において最初に作品を打ち出した橋口五葉。新版画の絵師達は、彫師や摺師との分業による、江戸時代伝統の高度な木版画をよみがえらせた。

 

「画布に猫」
「画布に猫」小林清親
大判錦絵 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵
(1/2~14展示)

光と影の個性を発揮した清親の絵は、光線画と呼ばれた。その独特な感性による作品群は、同時代の作品の中でも異彩を放っている。

 

「欧洲管弦楽合奏之図」
「欧洲管弦楽合奏之図」楊洲周延
大判錦絵三枚続 江戸東京博物館蔵

(1/2~14展示)

文明開化による欧米の新風俗は、明治期浮世絵の格好の画題となった。とくに周延の描く洋装の美人画は、想像を盛り込みつつも、とりわけ上品で華やかである。

 

 

「芳流閣両雄動」
「芳流閣両雄動」月岡芳年
大判錦絵二枚続 メ~テレ(名古屋テレビ放送)蔵

(2/4~16展示)

明治期の浮世絵師を代表する芳年。しかし多彩な画題での活躍や、大胆な、あるいは幻想的な表現は、浮世絵の枠を越えて評価されつつある。

 

関連事業

◆新春えどはくカルチャー
国際浮世絵学会創立50周年記念
江戸東京博物館開館20周年記念 特別展「大浮世絵展」
※詳細は江戸東京博物館の公式HP(えどはくカルチャー)をご参照ください。⇒

取材の方へ

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「大浮世絵展」東京会場広報事務局(ユース・プラニング センター内)
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