
2019.07.26展覧会・常設展
7月展示替情報 江戸ゾーン
常設展示室(5階)で展示替を行い、7月23日(火)から新たに資料を展示しています。
主な資料を紹介します。
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1、「擬宝珠」 Ornamental cap (giboshi) for a bridge post 展示コーナー:E1 江戸城と町割り 武家の文化 展示期間:2019年7月23日(火)~同年9月23日(月・祝) 1659年(万治2)8月 渡辺銅意、渡辺正次/作
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橋の欄干など、高欄の柱の頭部に付けられた装飾を擬宝珠といいます。形状が宝珠に似ていることに加え、雨水による柱の劣化を防ぐ帽子の役割を担うことから、この名称が生じたと考えられています。 銘に刻まれた年次から、明暦の大火の復興に関わって制作されたものと推測されます。1659年(万治2)年に制作された擬宝珠のなかには江戸城大手門の欄干を飾った作品もありました。本資料も江戸の橋の欄干に据えられたものと思われます。 |
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2、「東都名所四季之内 両国夜陰光景」 Women enjoying a summer party at a restaurant near a Ryogokubashi Bridge 展示コーナー:E6 江戸の四季と盛り場 江戸の四季 展示期間:2019年7月23日(火)~同年8月25日(日) 1853年(嘉永6) 歌川国貞(三代豊国)/画 恵比須屋庄七/板
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隅田川に面した料亭で、納涼の宴席を楽しむ女性たち。ガラス製の火屋をつけた蜀台が涼しげな印象です。彼女たちの後ろには夕涼みで賑わう人々と両国橋がシルエットで描かれています。 江戸時代、両国橋付近は5月28日から8月28日まで、「川開き」として、橋詰や堤に屋台等を出すこと、納涼船を出すことが許されるので、人々は夕涼みに出かけました。その初日には花火も打ち上げられ、両国橋付近は大勢の人でごった返し、隅田川も屋形船や屋根船などがひしめきました。 |
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3、「阿蘭陀風説書」 News of the world, as reported by the Dutch 展示コーナー:E10 江戸から東京へ 江戸無血開城 展示期間:2019年7月23日(火)~同年8月25日(日) ※展示期間が変更になりました。 1797年(寛政9)6月28日 ゲースベルト・ヘンミー/著 石橋助左衛門ほか/訳 国指定重要文化財
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江戸時代、長崎の出島に入港するオランダ船で赴任したカピタン(商船長)が、長崎奉行所を通して江戸の幕府に提出した海外情報の日本語訳文。1641年(寛永18)から1859年(安政6)まで毎年提出されました。将軍や老中などごく一部の幕閣と長崎奉行所の関係者しか目にすることはできませんでした。原書はそのつど二部作成され、幕府と長崎奉行所で保管されましたが、すべて焼失し、現存していません。 本資料は、樺太・千島の探検家として知られる近藤重蔵が長崎奉行所に赴任していた際、奉行所から借り出したまま返却を忘れたことにより、現在まで残り、唯一の原本として2000年(平成12)、国の重要文化財に指定されました。内容は、フランス革命とその後の情勢、ヨーロッパ諸国間の戦争などでした。 |